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ぬくもりをいっしょに
落ち葉が積もった大地に薄っすらと雪が積もるようになった。
白いヴェールで覆われた地面に小さな足跡がたくさん残っている。
先日、雪にはしゃいだポケモン達がつけたものだ。
この量では雪だるまは作れないと彼女が言っていたにも関わらず、雪だるまを作ろうともしていた。
それは残念な結果になり、大きくなれなかった雪玉が木のそばに転がっていた。
シャドウはそれらを横目に、キリカの家のドアをノックした。
トントン。一度目のノックでは何も返事が無かった。
少し間を置いてから二度目のノック。これにも反応が無い。
溜息が白く曇り、消えていった。動かした手は三度目ではなく、ドアノブに伸びた。
何の引っ掛かりもなくドアが開く。
家の中に入っても気温の変化は感じられなかった。暖炉の火も消えているようだ。
彼女の寝床へ目をやれば、彼の予想通りにすやすやと眠っている姿があった。
寒いせいだろう、布団の中で丸まっているようだった。
とっくに朝日は昇ったというのに。彼は再度溜息をついていた。
彼女に声をかけると、眉を寄せて身じろぎをした。
それから目を開けてぼんやりとした眼差しでシャドウを見上げる。
「…おはよう」
「何時だと思っているんだ」
キリカは壁に掛けてある時計を見た。約束していた時間をとうに過ぎている。
「ごめんね、寒くて布団から中々出れなくて」
弁解を述べるものの、その間にも瞼がくっつきそうになっていた。
寝ないようにと努力をしてみるが、結局は「あと五分」と言って目を閉じてしまった。
シャドウは目の前にいる寝惚け人に呆れ返っていた。
ふと、冷たい空気につま先から頭まで寒気が走る。
身震いをして、両腕をさするシャドウ。このままココに立ち尽くしていても寒いだけだ。
そこで何か思いついたのか、おもむろに目の前にある布団に潜り込んだ。
キリカはひんやりとした感触に驚いて目を開けた。見れば自分の隣にシャドウがいるではないか。
「ちょっ、と!シャドウ!」
「寒い」
「寒いからって勝手に。それに、冷たい」
「さっきまで外に居たんだ、当たり前だろう」
「それにここは外と変わらないくらい寒い」と言い、我が物顔で布団の中の居心地の良い場所を探し始める。
キリカは仕方なく一人分のスペースを譲る。そして大きく伸びをしたシャドウに声をかけようとした。
だが、その前に彼が何か軟らかいものを蹴り飛ばしてしまった。
それが何かを確認する暇も無く、突然シャドウが感電した。
眩い光が治まった頃にようやく布団の中にピカチュウがいることに気がついた。
「足元にピカチュウがいるから気をつけて…言うのが遅かったね」
「…先客が居たのか」
ピカチュウは何事もなかったように静まり返っている。
どうやらまた眠ってしまったようだ。
彼は雪が降り始めた頃から居候しているらしい。
その事実にやきもきしながらも、シャドウはぴったりとキリカに体を寄せていた。
「シャドウも寒がり?」
「君は知らないかもしれないが、…ハリネズミはあまりにも寒いと死んでしまう」
「ええっ!?」
目を瞑って縮こまりっている姿が妙に説得力がある。
その事実を知ったキリカはシャドウの体を包むように抱きしめた。
彼の体は先程よりも冷えてはいないが、まだ充分に冷たい。
だがそれも徐々に温まっていく。
「シャドウ、大丈夫?」
「ああ。温かい」
シャドウはまるで湯たんぽを抱くように背を丸めている。
その姿に微笑したキリカは彼が湯たんぽのようだと思った。
冷えていた体はもうすっかり温まり、逆に体温を分けてもらっているような気がしたからだ。
今日は出かける予定だったのだが、二人は別にいいかと同じ事を考えていた。
こうやって一緒にいられるのなら場所は関係ないのだから。
落ち葉が積もった大地に薄っすらと雪が積もるようになった。
白いヴェールで覆われた地面に小さな足跡がたくさん残っている。
先日、雪にはしゃいだポケモン達がつけたものだ。
この量では雪だるまは作れないと彼女が言っていたにも関わらず、雪だるまを作ろうともしていた。
それは残念な結果になり、大きくなれなかった雪玉が木のそばに転がっていた。
シャドウはそれらを横目に、キリカの家のドアをノックした。
トントン。一度目のノックでは何も返事が無かった。
少し間を置いてから二度目のノック。これにも反応が無い。
溜息が白く曇り、消えていった。動かした手は三度目ではなく、ドアノブに伸びた。
何の引っ掛かりもなくドアが開く。
家の中に入っても気温の変化は感じられなかった。暖炉の火も消えているようだ。
彼女の寝床へ目をやれば、彼の予想通りにすやすやと眠っている姿があった。
寒いせいだろう、布団の中で丸まっているようだった。
とっくに朝日は昇ったというのに。彼は再度溜息をついていた。
彼女に声をかけると、眉を寄せて身じろぎをした。
それから目を開けてぼんやりとした眼差しでシャドウを見上げる。
「…おはよう」
「何時だと思っているんだ」
キリカは壁に掛けてある時計を見た。約束していた時間をとうに過ぎている。
「ごめんね、寒くて布団から中々出れなくて」
弁解を述べるものの、その間にも瞼がくっつきそうになっていた。
寝ないようにと努力をしてみるが、結局は「あと五分」と言って目を閉じてしまった。
シャドウは目の前にいる寝惚け人に呆れ返っていた。
ふと、冷たい空気につま先から頭まで寒気が走る。
身震いをして、両腕をさするシャドウ。このままココに立ち尽くしていても寒いだけだ。
そこで何か思いついたのか、おもむろに目の前にある布団に潜り込んだ。
キリカはひんやりとした感触に驚いて目を開けた。見れば自分の隣にシャドウがいるではないか。
「ちょっ、と!シャドウ!」
「寒い」
「寒いからって勝手に。それに、冷たい」
「さっきまで外に居たんだ、当たり前だろう」
「それにここは外と変わらないくらい寒い」と言い、我が物顔で布団の中の居心地の良い場所を探し始める。
キリカは仕方なく一人分のスペースを譲る。そして大きく伸びをしたシャドウに声をかけようとした。
だが、その前に彼が何か軟らかいものを蹴り飛ばしてしまった。
それが何かを確認する暇も無く、突然シャドウが感電した。
眩い光が治まった頃にようやく布団の中にピカチュウがいることに気がついた。
「足元にピカチュウがいるから気をつけて…言うのが遅かったね」
「…先客が居たのか」
ピカチュウは何事もなかったように静まり返っている。
どうやらまた眠ってしまったようだ。
彼は雪が降り始めた頃から居候しているらしい。
その事実にやきもきしながらも、シャドウはぴったりとキリカに体を寄せていた。
「シャドウも寒がり?」
「君は知らないかもしれないが、…ハリネズミはあまりにも寒いと死んでしまう」
「ええっ!?」
目を瞑って縮こまりっている姿が妙に説得力がある。
その事実を知ったキリカはシャドウの体を包むように抱きしめた。
彼の体は先程よりも冷えてはいないが、まだ充分に冷たい。
だがそれも徐々に温まっていく。
「シャドウ、大丈夫?」
「ああ。温かい」
シャドウはまるで湯たんぽを抱くように背を丸めている。
その姿に微笑したキリカは彼が湯たんぽのようだと思った。
冷えていた体はもうすっかり温まり、逆に体温を分けてもらっているような気がしたからだ。
今日は出かける予定だったのだが、二人は別にいいかと同じ事を考えていた。
こうやって一緒にいられるのなら場所は関係ないのだから。