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ヤキモチ × やきもち
「ピーカ」
ピカチュウはピタッと頬を寄せてキリカに頬ずりをしている。
頭から長い耳にかけて撫でると嬉しそうに笑った。
こうやってピカチュウを抱っこするのも随分慣れたものだ。
出逢ったばかりのことを考えると、信じられないとキリカ自身は思っていた。
冬が一歩、また一歩と近付いてきた今日この頃。この温もりは嬉しいものだ。
ピカチュウも同じように考えているのだろう。寒くなるにつれて抱きついてくる頻度が高くなっていたからだ。
実はシャドウとベンチに座ってお喋りをしていた。
彼女は読書の邪魔をしたかと懸念したが、彼はすぐに読みかけの本を閉じてくれた。
木漏れ日が差し込む中で二人は楽しくお喋りをする。そこへ試合が終わったピカチュウが飛び込んできたのだった。
そんな仲睦まじい二人を側で見ていたシャドウは、どこか気に入らなさそうに腕を組んだ。
「…君たちは本当に仲が良いんだな」
「そう見える?嬉しいな」
「ピカピーカ!」
お互いに笑いあう姿はまさに良い友達関係。
だが、シャドウの目にはそれ以上に映っているようだ。
キリカにとっては可愛いポケモンなのだが、彼にとっては小さな恋敵。
彼は目を細めて横を向いてしまった。
「おーい、ピカチュウ!忘れ物だぞー!」
レッドの声が聞こえてきた。ずっと先の方に彼が立っているようだ。
彼の手には赤い帽子が握られており、それを左右に振っていた。
その帽子はレッドのと良く似ているが、彼の頭にはちゃんと帽子が乗っている。
「ピッカ」
「さっきはチーム戦だったの?ほら、取りに行っておいで」
ピカチュウはこくりと頷いて地面に飛び降りた。
颯爽とレッドのいる方角へと駆けて行く。
彼とピカチュウが話しているのをキリカは遠くから見守っていた。
それから隣にいる不機嫌そうなハリネズミに話しかけた。
「シャドウ、機嫌悪い?」
「そんなことはない」
シャドウの声色は明らかに低かった。
相変わらずそっぽを向いている彼に対してくすりと笑みを零すキリカ。
何が可笑しいのかと眉間に皺を寄せたシャドウが振り向いた。
その彼の頭をぐいと抱き寄せた。驚いたせいか毛並みの針がピンっと鋭くなった。
「なっ、何をするんだ!危ないだろう!」
「やきもち焼かなくても、私はピカチュウと同じくらいシャドウの事が好きだよ」
キリカの台詞に頬を赤く染めるシャドウ。
どうしていいものかわからずにじっとしていた。確実に熱が上昇していくのがわかる。
彼女は顎を彼の額に乗せて頬ずりをする。柔らかい毛並みと日の匂いが心地よい。
ピカチュウを抱っこした時は草むらの匂いがした。
「シャドウはお日様の匂いがするね」
彼は何も答えず、静かに瞼を下ろした。
早鐘を打っている心臓の音が外に漏れてしまいそうだと思っていた。
このまま自分も彼女を抱き寄せてもいいだろうか。
そう思い、シャドウが腕を伸ばした時だった。
「ピーカー!」
レッドの所から戻ってきたピカチュウが目を吊り上げてそこにいた。
頬袋からピリッと静電気が現れる。
そして、瞬時のうちに勢いよく頭からシャドウ目掛けて突っ込んだ。
ロケット頭突きにも似たその技を受けたシャドウはバランスを崩し、ベンチから転がり落ちた。
「ピーカ、ピカピカ!ピカチュ!」
短い両手をぶんぶんと振り上げて、不満そうに声を上げている。
一体どうしたのかと様子を窺っていたキリカの膝にピカチュウが飛び乗った。
先程と同じように抱きついて笑みを浮かべている。
「ピ~カチュウ」
どうやらココは彼の指定席のようだ。
誰であろうとその席を取られるのが嫌だそうだ。
突き飛ばされたシャドウは益々ピカチュウに敵意を抱くようになったとか。
「ピーカ」
ピカチュウはピタッと頬を寄せてキリカに頬ずりをしている。
頭から長い耳にかけて撫でると嬉しそうに笑った。
こうやってピカチュウを抱っこするのも随分慣れたものだ。
出逢ったばかりのことを考えると、信じられないとキリカ自身は思っていた。
冬が一歩、また一歩と近付いてきた今日この頃。この温もりは嬉しいものだ。
ピカチュウも同じように考えているのだろう。寒くなるにつれて抱きついてくる頻度が高くなっていたからだ。
実はシャドウとベンチに座ってお喋りをしていた。
彼女は読書の邪魔をしたかと懸念したが、彼はすぐに読みかけの本を閉じてくれた。
木漏れ日が差し込む中で二人は楽しくお喋りをする。そこへ試合が終わったピカチュウが飛び込んできたのだった。
そんな仲睦まじい二人を側で見ていたシャドウは、どこか気に入らなさそうに腕を組んだ。
「…君たちは本当に仲が良いんだな」
「そう見える?嬉しいな」
「ピカピーカ!」
お互いに笑いあう姿はまさに良い友達関係。
だが、シャドウの目にはそれ以上に映っているようだ。
キリカにとっては可愛いポケモンなのだが、彼にとっては小さな恋敵。
彼は目を細めて横を向いてしまった。
「おーい、ピカチュウ!忘れ物だぞー!」
レッドの声が聞こえてきた。ずっと先の方に彼が立っているようだ。
彼の手には赤い帽子が握られており、それを左右に振っていた。
その帽子はレッドのと良く似ているが、彼の頭にはちゃんと帽子が乗っている。
「ピッカ」
「さっきはチーム戦だったの?ほら、取りに行っておいで」
ピカチュウはこくりと頷いて地面に飛び降りた。
颯爽とレッドのいる方角へと駆けて行く。
彼とピカチュウが話しているのをキリカは遠くから見守っていた。
それから隣にいる不機嫌そうなハリネズミに話しかけた。
「シャドウ、機嫌悪い?」
「そんなことはない」
シャドウの声色は明らかに低かった。
相変わらずそっぽを向いている彼に対してくすりと笑みを零すキリカ。
何が可笑しいのかと眉間に皺を寄せたシャドウが振り向いた。
その彼の頭をぐいと抱き寄せた。驚いたせいか毛並みの針がピンっと鋭くなった。
「なっ、何をするんだ!危ないだろう!」
「やきもち焼かなくても、私はピカチュウと同じくらいシャドウの事が好きだよ」
キリカの台詞に頬を赤く染めるシャドウ。
どうしていいものかわからずにじっとしていた。確実に熱が上昇していくのがわかる。
彼女は顎を彼の額に乗せて頬ずりをする。柔らかい毛並みと日の匂いが心地よい。
ピカチュウを抱っこした時は草むらの匂いがした。
「シャドウはお日様の匂いがするね」
彼は何も答えず、静かに瞼を下ろした。
早鐘を打っている心臓の音が外に漏れてしまいそうだと思っていた。
このまま自分も彼女を抱き寄せてもいいだろうか。
そう思い、シャドウが腕を伸ばした時だった。
「ピーカー!」
レッドの所から戻ってきたピカチュウが目を吊り上げてそこにいた。
頬袋からピリッと静電気が現れる。
そして、瞬時のうちに勢いよく頭からシャドウ目掛けて突っ込んだ。
ロケット頭突きにも似たその技を受けたシャドウはバランスを崩し、ベンチから転がり落ちた。
「ピーカ、ピカピカ!ピカチュ!」
短い両手をぶんぶんと振り上げて、不満そうに声を上げている。
一体どうしたのかと様子を窺っていたキリカの膝にピカチュウが飛び乗った。
先程と同じように抱きついて笑みを浮かべている。
「ピ~カチュウ」
どうやらココは彼の指定席のようだ。
誰であろうとその席を取られるのが嫌だそうだ。
突き飛ばされたシャドウは益々ピカチュウに敵意を抱くようになったとか。