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I restrain you.
真っ白な雪が紙吹雪のように舞っていた。
辺りは闇に包まれているが、建物を幾つかのサーチライトが照らしている。
不規則に動くその光は人を見つけるとその姿を追い続けていた。
空を見上げれば、真っ暗な空間から落ちてくる雪が頬に当たり、すっと溶けていく。
だが、次第に体が冷えていくと雪もそう簡単には溶けなくなる。
キリカは白い息を吐き出し、前方を見据えた。
舞う雪やサーチライトのせいであまり視界は良くなかった。
彼女はシャドーモセス島へ訪れる為に、がっちりと着込んできた。
厚手のコートを纏い、コートに合わせた色の帽子を被り、お気に入りの手袋をつけていた。
首には青いマフラーが巻かれている。端には白いラインが入っていた。
これだけ着込んでいても、ただ立ち止まっているだけでは寒い。
時折凍えるような風が吹き荒れると、何度も身を震わせていた。
だがそれは彼女だけのようで、コートに潜り込んでいる黄色い彼は寒さ知らずのようだった。
「キリカ。凍えてないか?」
「うーん…寒いよ。でも」
突如現れたソニックを見て「ソニックの方が寒そう」と言った。
彼は腕を組んで息をハアと吐き出した。
「寒くないと言ったら嘘になるな」
「動き回ってるから、まだ温かいのかもしれないね」
「そうかもな」
そう言った矢先にソニックはくしゃみをした。
動き回って汗をかき、それで冷えてしまったのだろうか。
どうにかして暖を取る方法はないか。
キリカがそう考えていると、コートの胸元からピカチュウがひょっこりと顔を出した。
顔が冷たい外気にさらされたせいか表情をしかめる。
「ピカピカ」
「Wow!ピカチュウ、そんなところにいたのか」
「ピーカ」
「寒いといつも潜り込んできたり、くっついてきたりするの」
おかげで自分も温かいのだが、と彼女は笑った。
ピカチュウは吹いてくる冷たい風に震えて、再び潜り込んでしまった。
「まるでコアラみたいだな」
「ユーカリの葉は食べないけどね」
二人が笑っているとピカチュウのくぐもった声が聞こえてきた。
ソニックはつま先から頭のてっぺんまで寒気が走ったのを感じた。
やはりじっとしていると段々と寒くなってくるようだ。
そこで一つ良い案が浮かんだと、指をパチンと鳴らした。
ソニックは目の前にいるキリカに正面から抱きついた。
「ビッ!」
「ソニック!?ちょっと、どうしたの!」
「オレも温めてくれよ」
寒いんだ。そう言いながら頭をすり寄せてくる。
首筋に冷たい耳が当たり、くすぐったいとキリカは首を左右に振っていた。
しかし、彼は離れる気が全くないのか、しっかりと腕を背中に回していた。
キリカが困ったように彼の名を呼ぶ。その声にソニックは顔を上げた。
思いの外互いの顔が至近距離だったせいで、キリカは冷えた顔を紅潮させた。
自分の鼻先と彼の黒い鼻先が触れそうになる。
「まさかピカチュウがOKでオレがダメだなんて言わないよな?」
意地悪い笑みを浮かべるソニックに上手く反論が出来ずにいた。
覗き込んでくる二つの瞳から逃れようとするが、目を逸らしただけでは意味がなかった。
先程の凍るような寒さはどこへやら。恥ずかしさにすっかり体の芯から熱くなってしまっていた。
二人の間に挟まれているピカチュウも苦しそうにもがいている。
ふと茶色いダンボール箱が足元に見えた。
その箱が勢いよく吹き飛ばされ、中から一人の男が姿を現した。
「試合中に随分と余裕を見せてくれるな。ソニック」
「What?今までドコにいたんだよオッサン。姿が見えないから帰っちまったのかと思ったぜ」
刹那。両者の間にピリピリとした空気が流れ出した。
何を隠そう今はシャドーモセス島での試合中。
キリカとピカチュウはこの試合の観戦に来ていたのだ。
スネークが眉を吊り上げている。どうやら彼女がソニックに束縛されているのが気に入らないようだ。
「おい。嫌がってるじゃないか、彼女を離せ」
「Don't joke.どこに目つけてんだオッサン?」
「度し難いな」
「試合中に戦線離脱するアンタに言われたくないね」
「あれは戦略だ。口論していても仕方が無い。決着をつけようじゃないか」
「OK.体も温まったことだしな」
しばしの口論の後、ソニックは名残惜しそうにキリカを解放した。
実に複雑そうな表情をしている彼女に笑みを向ける。
そして彼女の耳元でこう囁いた。
「Too later,I restrain you.」
耳元で口付けるような音が聞こえた。
と、思いきやソニックは既に試合会場へと戻っていた。
辺りは一面の雪だというのに、熱くなるばかりだと彼女は両手で頬を押さえた。
ピカチュウがひょこりと顔を出して、新鮮な空気を懸命に吸っていた。
シャドーモセス島では爆発音と独特のスピン音が響いていた。
真っ白な雪が紙吹雪のように舞っていた。
辺りは闇に包まれているが、建物を幾つかのサーチライトが照らしている。
不規則に動くその光は人を見つけるとその姿を追い続けていた。
空を見上げれば、真っ暗な空間から落ちてくる雪が頬に当たり、すっと溶けていく。
だが、次第に体が冷えていくと雪もそう簡単には溶けなくなる。
キリカは白い息を吐き出し、前方を見据えた。
舞う雪やサーチライトのせいであまり視界は良くなかった。
彼女はシャドーモセス島へ訪れる為に、がっちりと着込んできた。
厚手のコートを纏い、コートに合わせた色の帽子を被り、お気に入りの手袋をつけていた。
首には青いマフラーが巻かれている。端には白いラインが入っていた。
これだけ着込んでいても、ただ立ち止まっているだけでは寒い。
時折凍えるような風が吹き荒れると、何度も身を震わせていた。
だがそれは彼女だけのようで、コートに潜り込んでいる黄色い彼は寒さ知らずのようだった。
「キリカ。凍えてないか?」
「うーん…寒いよ。でも」
突如現れたソニックを見て「ソニックの方が寒そう」と言った。
彼は腕を組んで息をハアと吐き出した。
「寒くないと言ったら嘘になるな」
「動き回ってるから、まだ温かいのかもしれないね」
「そうかもな」
そう言った矢先にソニックはくしゃみをした。
動き回って汗をかき、それで冷えてしまったのだろうか。
どうにかして暖を取る方法はないか。
キリカがそう考えていると、コートの胸元からピカチュウがひょっこりと顔を出した。
顔が冷たい外気にさらされたせいか表情をしかめる。
「ピカピカ」
「Wow!ピカチュウ、そんなところにいたのか」
「ピーカ」
「寒いといつも潜り込んできたり、くっついてきたりするの」
おかげで自分も温かいのだが、と彼女は笑った。
ピカチュウは吹いてくる冷たい風に震えて、再び潜り込んでしまった。
「まるでコアラみたいだな」
「ユーカリの葉は食べないけどね」
二人が笑っているとピカチュウのくぐもった声が聞こえてきた。
ソニックはつま先から頭のてっぺんまで寒気が走ったのを感じた。
やはりじっとしていると段々と寒くなってくるようだ。
そこで一つ良い案が浮かんだと、指をパチンと鳴らした。
ソニックは目の前にいるキリカに正面から抱きついた。
「ビッ!」
「ソニック!?ちょっと、どうしたの!」
「オレも温めてくれよ」
寒いんだ。そう言いながら頭をすり寄せてくる。
首筋に冷たい耳が当たり、くすぐったいとキリカは首を左右に振っていた。
しかし、彼は離れる気が全くないのか、しっかりと腕を背中に回していた。
キリカが困ったように彼の名を呼ぶ。その声にソニックは顔を上げた。
思いの外互いの顔が至近距離だったせいで、キリカは冷えた顔を紅潮させた。
自分の鼻先と彼の黒い鼻先が触れそうになる。
「まさかピカチュウがOKでオレがダメだなんて言わないよな?」
意地悪い笑みを浮かべるソニックに上手く反論が出来ずにいた。
覗き込んでくる二つの瞳から逃れようとするが、目を逸らしただけでは意味がなかった。
先程の凍るような寒さはどこへやら。恥ずかしさにすっかり体の芯から熱くなってしまっていた。
二人の間に挟まれているピカチュウも苦しそうにもがいている。
ふと茶色いダンボール箱が足元に見えた。
その箱が勢いよく吹き飛ばされ、中から一人の男が姿を現した。
「試合中に随分と余裕を見せてくれるな。ソニック」
「What?今までドコにいたんだよオッサン。姿が見えないから帰っちまったのかと思ったぜ」
刹那。両者の間にピリピリとした空気が流れ出した。
何を隠そう今はシャドーモセス島での試合中。
キリカとピカチュウはこの試合の観戦に来ていたのだ。
スネークが眉を吊り上げている。どうやら彼女がソニックに束縛されているのが気に入らないようだ。
「おい。嫌がってるじゃないか、彼女を離せ」
「Don't joke.どこに目つけてんだオッサン?」
「度し難いな」
「試合中に戦線離脱するアンタに言われたくないね」
「あれは戦略だ。口論していても仕方が無い。決着をつけようじゃないか」
「OK.体も温まったことだしな」
しばしの口論の後、ソニックは名残惜しそうにキリカを解放した。
実に複雑そうな表情をしている彼女に笑みを向ける。
そして彼女の耳元でこう囁いた。
「Too later,I restrain you.」
耳元で口付けるような音が聞こえた。
と、思いきやソニックは既に試合会場へと戻っていた。
辺りは一面の雪だというのに、熱くなるばかりだと彼女は両手で頬を押さえた。
ピカチュウがひょこりと顔を出して、新鮮な空気を懸命に吸っていた。
シャドーモセス島では爆発音と独特のスピン音が響いていた。