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仲良くなるために
ある昼下がり、今日の予定がないソニックは『どうぶつの森』に足を運んでいた。
予定は無いと言っても、ここに来た目当てはある人物を探している為だ。
木が生い茂っている辺りでその人の姿を探す。
今日は晴れていて気持ちがいい天気だ。木々の間から差し込む陽の光も柔らかい。
昼寝にちょうど良いと思うと足取りも軽くなる。
赤いリンゴが実っている木の下にソニックが探している少女がいた。
膝の上に本を広げて、白いページに片手がかかっている。
ソニックが近付いても何も反応を示さなかった。
それもそのはず。キリカの瞼は閉じられており、静かに寝息を立てていたのだから。
その傍らにはピカチュウも居り、気持ちよさそうに眠っていた。
やっと会えたというのに、これでは話が出来ないとソニックは肩をすくめる。
「良い天気だからわからなくもないけどな」
キリカの隣に失礼して腰を下ろした。これでも彼女は起きる気配を見せない。
すっかり安心しきっているのか、ピカチュウも幸せそうに寝ているようだ。
さわさわと風が静かに流れていく。木の葉の掠れる音が心地よい。
木の幹に背を預け、彼女が目を覚ますまで待つことにした。
顔を横へ向ければキリカの寝顔を見ることが出来る。
彼女はファイターではなく、アシスト的な役割のために此処にいるそうだ。
本人や周りの人間から聞いた話ではポケモン達と仲が良いらしい。
確かにいつも彼女の側にはピカチュウやムックル、ハネッコ達がいる。
好かれているのはポケモンからだけではない。ファイター達からも厚い信頼を寄せられていた。
彼女には何か人を惹きつける力でもあるのかもしれないとソニックは思った。
現に自分もこうして惹きつけられているのだから。
キリカの事をもっと知りたいと思い、今日も話をしに来たのだ。
目にかかっている前髪をそっと払い、ソニックは柔らかい笑みを浮かべた。
二人並んで昼寝をするのも悪くはない。欠伸を一つ零してから前を向いた。
ソニックの視線がある一点へと注がれる。
少し離れた前方に茶色いダンボール箱が一つ。
この自然の中で明らかに不調和な存在だ。
しかもそのダンボール、少しずつこちらに近付いてきているではないか。
その中に人が入っていることを知っているソニックの目は非難に満ちていた。
「Hey,guy.覗き見とは良い趣味してるな」
声をかけられたダンボールが一瞬びくりと震えた。
それはしばらくじっとしていたが、観念したのかダンボールのヴェールが脱がれた。
中から出てきたのは体格の良い男性。スネークだ。
「お前には関係ないだろう」
「いーやあるね。見られてるこっちが気分悪い。It isn't sneaking.You're stalker」
鼻で笑われたスネークは眉をぴくりと動かした。
その顔は苦渋に満ちている。
いささか空気が険悪になり始めた頃、ピカチュウが目を覚ました。
ピカチュウは真っ先にスネークの存在に気がつき、威嚇を始めた。
「ピーカー!」
「What happened?」
「おい、ちょっと待てピカチュウ!」
二人の話も聞かずにピカチュウは電撃をスネークに向けた。
間一髪のところでその攻撃を避ける。流石元傭兵と言われているだけの動きだ。
何度かピカチュウの電撃攻撃を避け続けるが、スネークは守りに徹していた。
ソニックはそのやり取りを見ているだけである。
静かなひと時が喧騒に変わり始めた頃、キリカも重い瞼をようやく開けた。
「Good morning,sleeping princess」
「…あれ、ソニック。…私はお姫様じゃないってば」
寝惚けた瞳のままでいるキリカの頬が薄っすらと赤く染まっていた。
そんな表情も可愛いと思えてしまう。
「ピカチュウと…スネーク?!どうしたのあの二人」
「どうもこうも。急に戦闘態勢に入っちまった」
「ああ、またかあ」
「What do you mean?」
「ピカチュウとスネーク、あの二人仲が悪いの」
「そりゃ、見ればわかるさ」
大きな雷が轟いた。地面があちこち黒焦げている。
逃げるスネークに追うピカチュウ。二人の仲が悪くなった経緯をキリカが話し始めた。
「スネークがピカチュウに初めて会った時なんだけどね。彼、ピカチュウの耳を掴んで持ち上げたの」
「I see.それはピカチュウも怒るだろ。オレだって耳掴まれたらそいつのコト嫌いになるね」
「うん。それが原因でピカチュウはずっとあの調子」
「それなら何でオッサンは自ら近付いてくるんだ?」
そこが理解できないとソニックは両手を広げてみせた。
嫌われているのなら無理に近付いて命を危険にさらす必要はない。
「ビーガー!」
「待てピカチュウ!俺の話を聞け!」
次の雷を撃つ為に充電を始めたピカチュウにスネークが待ったをかけた。
キリカが「ピカチュウ!」と声をかけたおかげかピカチュウの挙動が止まる。
その隙を逃さずにスネークはどこからかオレンジを一つ取り出した。
「お前に謝りたいと思ってな。…これは詫びの品だ」
「…ピ?」
微妙な距離を保っていたスネークとピカチュウ。
オレンジを差し出したスネークに一歩ずつ警戒しながら近付いていく。
二人の距離が縮まっていく様を見守るキリカとソニック。
ついにピカチュウがオレンジのすぐ側まで近付いた。
オレンジの匂いを確かめるように鼻先をくっつける。
この先の展開は一体どうなるのか。二人は息を呑んで見守っていた。
「ピッ」
ピカチュウはふいっとそっぽを向いた。
どうやらお気に召さなかったようだ。
その後、オレンジはソニックとキリカが美味しく頂いたそうだ。
ある昼下がり、今日の予定がないソニックは『どうぶつの森』に足を運んでいた。
予定は無いと言っても、ここに来た目当てはある人物を探している為だ。
木が生い茂っている辺りでその人の姿を探す。
今日は晴れていて気持ちがいい天気だ。木々の間から差し込む陽の光も柔らかい。
昼寝にちょうど良いと思うと足取りも軽くなる。
赤いリンゴが実っている木の下にソニックが探している少女がいた。
膝の上に本を広げて、白いページに片手がかかっている。
ソニックが近付いても何も反応を示さなかった。
それもそのはず。キリカの瞼は閉じられており、静かに寝息を立てていたのだから。
その傍らにはピカチュウも居り、気持ちよさそうに眠っていた。
やっと会えたというのに、これでは話が出来ないとソニックは肩をすくめる。
「良い天気だからわからなくもないけどな」
キリカの隣に失礼して腰を下ろした。これでも彼女は起きる気配を見せない。
すっかり安心しきっているのか、ピカチュウも幸せそうに寝ているようだ。
さわさわと風が静かに流れていく。木の葉の掠れる音が心地よい。
木の幹に背を預け、彼女が目を覚ますまで待つことにした。
顔を横へ向ければキリカの寝顔を見ることが出来る。
彼女はファイターではなく、アシスト的な役割のために此処にいるそうだ。
本人や周りの人間から聞いた話ではポケモン達と仲が良いらしい。
確かにいつも彼女の側にはピカチュウやムックル、ハネッコ達がいる。
好かれているのはポケモンからだけではない。ファイター達からも厚い信頼を寄せられていた。
彼女には何か人を惹きつける力でもあるのかもしれないとソニックは思った。
現に自分もこうして惹きつけられているのだから。
キリカの事をもっと知りたいと思い、今日も話をしに来たのだ。
目にかかっている前髪をそっと払い、ソニックは柔らかい笑みを浮かべた。
二人並んで昼寝をするのも悪くはない。欠伸を一つ零してから前を向いた。
ソニックの視線がある一点へと注がれる。
少し離れた前方に茶色いダンボール箱が一つ。
この自然の中で明らかに不調和な存在だ。
しかもそのダンボール、少しずつこちらに近付いてきているではないか。
その中に人が入っていることを知っているソニックの目は非難に満ちていた。
「Hey,guy.覗き見とは良い趣味してるな」
声をかけられたダンボールが一瞬びくりと震えた。
それはしばらくじっとしていたが、観念したのかダンボールのヴェールが脱がれた。
中から出てきたのは体格の良い男性。スネークだ。
「お前には関係ないだろう」
「いーやあるね。見られてるこっちが気分悪い。It isn't sneaking.You're stalker」
鼻で笑われたスネークは眉をぴくりと動かした。
その顔は苦渋に満ちている。
いささか空気が険悪になり始めた頃、ピカチュウが目を覚ました。
ピカチュウは真っ先にスネークの存在に気がつき、威嚇を始めた。
「ピーカー!」
「What happened?」
「おい、ちょっと待てピカチュウ!」
二人の話も聞かずにピカチュウは電撃をスネークに向けた。
間一髪のところでその攻撃を避ける。流石元傭兵と言われているだけの動きだ。
何度かピカチュウの電撃攻撃を避け続けるが、スネークは守りに徹していた。
ソニックはそのやり取りを見ているだけである。
静かなひと時が喧騒に変わり始めた頃、キリカも重い瞼をようやく開けた。
「Good morning,sleeping princess」
「…あれ、ソニック。…私はお姫様じゃないってば」
寝惚けた瞳のままでいるキリカの頬が薄っすらと赤く染まっていた。
そんな表情も可愛いと思えてしまう。
「ピカチュウと…スネーク?!どうしたのあの二人」
「どうもこうも。急に戦闘態勢に入っちまった」
「ああ、またかあ」
「What do you mean?」
「ピカチュウとスネーク、あの二人仲が悪いの」
「そりゃ、見ればわかるさ」
大きな雷が轟いた。地面があちこち黒焦げている。
逃げるスネークに追うピカチュウ。二人の仲が悪くなった経緯をキリカが話し始めた。
「スネークがピカチュウに初めて会った時なんだけどね。彼、ピカチュウの耳を掴んで持ち上げたの」
「I see.それはピカチュウも怒るだろ。オレだって耳掴まれたらそいつのコト嫌いになるね」
「うん。それが原因でピカチュウはずっとあの調子」
「それなら何でオッサンは自ら近付いてくるんだ?」
そこが理解できないとソニックは両手を広げてみせた。
嫌われているのなら無理に近付いて命を危険にさらす必要はない。
「ビーガー!」
「待てピカチュウ!俺の話を聞け!」
次の雷を撃つ為に充電を始めたピカチュウにスネークが待ったをかけた。
キリカが「ピカチュウ!」と声をかけたおかげかピカチュウの挙動が止まる。
その隙を逃さずにスネークはどこからかオレンジを一つ取り出した。
「お前に謝りたいと思ってな。…これは詫びの品だ」
「…ピ?」
微妙な距離を保っていたスネークとピカチュウ。
オレンジを差し出したスネークに一歩ずつ警戒しながら近付いていく。
二人の距離が縮まっていく様を見守るキリカとソニック。
ついにピカチュウがオレンジのすぐ側まで近付いた。
オレンジの匂いを確かめるように鼻先をくっつける。
この先の展開は一体どうなるのか。二人は息を呑んで見守っていた。
「ピッ」
ピカチュウはふいっとそっぽを向いた。
どうやらお気に召さなかったようだ。
その後、オレンジはソニックとキリカが美味しく頂いたそうだ。