鋼の錬金術師
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不安<信頼感
体がぐらりと傾いた気がした。
さっきから足元がふわふわとした浮くような感覚は確かにあったけど。
まさか倒れるなんて思っていなかった。
「キリカ、しっかりしろ!」
台所で倒れかけた私をエドが助けてくれて、ソファまで運んでくれたみたいだった。
一瞬意識が遠退いて、ちらちらと視界にノイズがチラついた。
その次に映ったのはエドの顔。
辛そうな目をしていた。
頭はぼうっとするし、なんだかもやもやと霧がかかっているみたい。
それに気分が悪い。ソファに横になっていても頭が重くて沈みこむような感じ。
「ん、だいじょうぶ」
「大丈夫じゃないだろ!こんなに青白い顔して、体だって冷えきってる」
「私、冷え性だし。それに今日は少し疲れてたから」
職場で面倒くさいことがあって、神経をすり減らしていた。
しかも昨晩はなかなか寝付けなくて、睡眠不足。
普段はこんなことない。
たまたま色々な要因が重なった。
だから、ちょっと目眩がしただけ。
「昨日よく眠れなかったから、そのせいもあるのよ」
「……キリカは線が細いから心配なんだよ。っつーか、悪い。体調気づいてやれなくて」
「エドが謝ることじゃないわ。それに、私食べてる方なんだけどな」
「まだ足りない」
きっばりと言い切られた。
確かに線が細いとはよくいわれる。
でも、私はいいけれど女性に「もっと食べた方がいい」なんて言ったら機嫌を損ねるのがオチ。
「エド、それ好きな娘に言ったら嫌われちゃうよ」
何気なく思ったことをぽつりと呟いた。
ふと、エドの顔色がぎょっと青ざめたような気がした。
「きっ気を付ける。……あと、さっきの前言撤回してくれ」
「私は別に気にしてないから」
「……とーにかく!今夜はオレが飯作るから、キリカは休んでてくれよ」
「いいの?」
「また倒れたらどうするんだよ。それとも、こんなガキには任せられないか?」
今までエドに台所を任せたことはなかった。
少し手伝ってくれたことはあるけど、基本的に勝手がわかる私しかご飯は作らない。
不安がないと言ったら嘘。でも、エドになら任せられると思った。
「ううん。エドになら任せられる」
声に出してそう言えばエドが歯を見せて笑った。
蛍光灯の光が眩しくて、私は目を細める。
「そうこなくっちゃな。眩暈なんか吹っ飛ぶくらい、美味いもん作ってやるからよ」
「期待してるね」
「ああ、任せろよ。出来たら起こすからさ、それまで眠ってた方がいいぜ。寝不足ならなおさら」
「そうしようかな」
一眠りぐらいなら今夜の睡眠に支障はないだろう。
素直に頷いた私を見て、エドは「毛布持ってくる」と言って隣の寝室に入った。
このソファでいつも寝ているのはエドだ。
そこに横になっているのがなんだか変な感じがする。
毛布を持って戻ってきたエドが私にそれをかけてくれた。
ふわりと薫った匂いでエドが使っている毛布だとわかる。
「エド、ありがとう」
「どういたしまして。むしろ、もっと頼ってくれたっていいんだ。此処で世話になってんのはオレの方なんだし」
「じゃあこれからは少し、甘えちゃおうかな」
「おお、いいぜ」
エドお気に入りの赤いフード付きパーカー。
その上にいつも使っている私のエプロンをつける。
それと薄いオレンジ色はちょっと不釣合いというか、全体像が鮮やかというか。
どんな料理を作ってくれるんだろう。
ちょっぴりの不安と大きな期待を抱きながら私は目を閉じた。
体がぐらりと傾いた気がした。
さっきから足元がふわふわとした浮くような感覚は確かにあったけど。
まさか倒れるなんて思っていなかった。
「キリカ、しっかりしろ!」
台所で倒れかけた私をエドが助けてくれて、ソファまで運んでくれたみたいだった。
一瞬意識が遠退いて、ちらちらと視界にノイズがチラついた。
その次に映ったのはエドの顔。
辛そうな目をしていた。
頭はぼうっとするし、なんだかもやもやと霧がかかっているみたい。
それに気分が悪い。ソファに横になっていても頭が重くて沈みこむような感じ。
「ん、だいじょうぶ」
「大丈夫じゃないだろ!こんなに青白い顔して、体だって冷えきってる」
「私、冷え性だし。それに今日は少し疲れてたから」
職場で面倒くさいことがあって、神経をすり減らしていた。
しかも昨晩はなかなか寝付けなくて、睡眠不足。
普段はこんなことない。
たまたま色々な要因が重なった。
だから、ちょっと目眩がしただけ。
「昨日よく眠れなかったから、そのせいもあるのよ」
「……キリカは線が細いから心配なんだよ。っつーか、悪い。体調気づいてやれなくて」
「エドが謝ることじゃないわ。それに、私食べてる方なんだけどな」
「まだ足りない」
きっばりと言い切られた。
確かに線が細いとはよくいわれる。
でも、私はいいけれど女性に「もっと食べた方がいい」なんて言ったら機嫌を損ねるのがオチ。
「エド、それ好きな娘に言ったら嫌われちゃうよ」
何気なく思ったことをぽつりと呟いた。
ふと、エドの顔色がぎょっと青ざめたような気がした。
「きっ気を付ける。……あと、さっきの前言撤回してくれ」
「私は別に気にしてないから」
「……とーにかく!今夜はオレが飯作るから、キリカは休んでてくれよ」
「いいの?」
「また倒れたらどうするんだよ。それとも、こんなガキには任せられないか?」
今までエドに台所を任せたことはなかった。
少し手伝ってくれたことはあるけど、基本的に勝手がわかる私しかご飯は作らない。
不安がないと言ったら嘘。でも、エドになら任せられると思った。
「ううん。エドになら任せられる」
声に出してそう言えばエドが歯を見せて笑った。
蛍光灯の光が眩しくて、私は目を細める。
「そうこなくっちゃな。眩暈なんか吹っ飛ぶくらい、美味いもん作ってやるからよ」
「期待してるね」
「ああ、任せろよ。出来たら起こすからさ、それまで眠ってた方がいいぜ。寝不足ならなおさら」
「そうしようかな」
一眠りぐらいなら今夜の睡眠に支障はないだろう。
素直に頷いた私を見て、エドは「毛布持ってくる」と言って隣の寝室に入った。
このソファでいつも寝ているのはエドだ。
そこに横になっているのがなんだか変な感じがする。
毛布を持って戻ってきたエドが私にそれをかけてくれた。
ふわりと薫った匂いでエドが使っている毛布だとわかる。
「エド、ありがとう」
「どういたしまして。むしろ、もっと頼ってくれたっていいんだ。此処で世話になってんのはオレの方なんだし」
「じゃあこれからは少し、甘えちゃおうかな」
「おお、いいぜ」
エドお気に入りの赤いフード付きパーカー。
その上にいつも使っている私のエプロンをつける。
それと薄いオレンジ色はちょっと不釣合いというか、全体像が鮮やかというか。
どんな料理を作ってくれるんだろう。
ちょっぴりの不安と大きな期待を抱きながら私は目を閉じた。