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4.夜の光
「…お、あったあった!これっスよ葉月さん」
夕飯は歓迎パーティーを兼ねてのタコ焼きパーティーを開いた。邪険に扱うつもりは毛頭無く、お客様として歓迎するでという友好的な意思を持ってファットさん特製タコ焼きをお披露目。それを食べた後は沈んでいた表情も少し和らいでいた。
飯を食うてシャワー浴びてからまったりしてる時間帯に切島くんが見せたいもんがあると霧華ちゃんに声をかけていた。
ソファにお行儀よく掛けている側で自分のスマホをくるりと横にする。画面をタップした直後、軽快な音楽と勇ましい声が聞こえてきた。二人でその画面を覗き込む様子を更にそっと覗き込む。
「これがオールマイト」
「…凄い。ザ・ヒーローって感じ…決め台詞っていうの?これもまさにヒーローっていうか」
「俺のダチがガチのファンなんスよ。寮の部屋もポスターとかめっちゃ貼ってて。グッズもすげー量で」
「切島くんもファンなの?」
「俺の目指す漢気溢れるヒーローはこっちっス!」
「…な、なるほど…。うん、なんか漢らしい…というよりは…ううん。なんでもない」
ヒーローの活躍が投稿された動画サイトを次々と再生し、嬉々と個性や得意技の説明をする切島くん。その手元を見ている霧華ちゃんの目は瞬きもせず、食い入るように見とった。今まで見た表情の中で一番輝いているようや。それは憧れや羨望に似た眼差しにも思えた。
「…で、こん時はピンチにも関わらず飛び込んでいって」
「切島くん。ヒーロー紹介にファットさんは入れてくれへんの。仲間外れ悲しいわあ」
ずいとソファの裏側から身を乗り出すと、そこで初めて気づいたかのような反応をされる。霧華ちゃんに至っては肩をビクゥっと跳ね上げさせていた。
「さ、さーせんっ!ご紹介が遅れましたっ。こちらは俺と環先輩がインターンでお世話になってるファットガム事務所のプロヒーローファットガムっス!」
「自己紹介二回目やな。ファットさんでええで。俺の個性は脂肪吸着。どんなものでも沈ませられる、沈ませ屋のファットさんや」
「沈ませ、屋。…沈ませ…う、海に…!?」
「それはヒーローあるまじき行為やんな。沈ませんのはこの脂肪にや」
妙な誤解が生まれかけたんのを秒で訂正したんはええが、霧華ちゃんが目を合わせてくれへん。あかん。なんや怖がられとる。そこを切島くんがすかさず「いい人だから怖くないっスよ!」とフォローを入れてくれた。それが嬉しくてつい目が潤みそうになる。
「せやけど、なんでヒーローの動画見せてん?」
「葉月さんに俺達ヒーローがどんな存在かっていうのを教えたかったんスよ。…個性が無い世界って俺には想像できねぇ。でも逆に考えたらめっちゃ恐ぇ存在なんじゃないかって。だから、俺達がどんな役割をして、怖くないって事を少しでも分かってもらえたら…」
「…ええ子やん。めっっちゃええ子やんかぁ!せや心の面ケアするんも大っ事なことやで!やっぱインターンに切島くん呼んでえかったわぁ!」
「うっス!あざっス!!」
今度こそ涙ぐみそうになったんをグッと堪え、切島くんの髪をわしゃわしゃと撫でつけた。硬化させた両手の拳をガチンと合わせ、元気よく答えてくれる。そこへいつの間にかシャワーから戻ってきていた環が「…眩しい」と呟いて、頭に被せていたバスタオルでさらに顔を覆い隠していた。
「…お、あったあった!これっスよ葉月さん」
夕飯は歓迎パーティーを兼ねてのタコ焼きパーティーを開いた。邪険に扱うつもりは毛頭無く、お客様として歓迎するでという友好的な意思を持ってファットさん特製タコ焼きをお披露目。それを食べた後は沈んでいた表情も少し和らいでいた。
飯を食うてシャワー浴びてからまったりしてる時間帯に切島くんが見せたいもんがあると霧華ちゃんに声をかけていた。
ソファにお行儀よく掛けている側で自分のスマホをくるりと横にする。画面をタップした直後、軽快な音楽と勇ましい声が聞こえてきた。二人でその画面を覗き込む様子を更にそっと覗き込む。
「これがオールマイト」
「…凄い。ザ・ヒーローって感じ…決め台詞っていうの?これもまさにヒーローっていうか」
「俺のダチがガチのファンなんスよ。寮の部屋もポスターとかめっちゃ貼ってて。グッズもすげー量で」
「切島くんもファンなの?」
「俺の目指す漢気溢れるヒーローはこっちっス!」
「…な、なるほど…。うん、なんか漢らしい…というよりは…ううん。なんでもない」
ヒーローの活躍が投稿された動画サイトを次々と再生し、嬉々と個性や得意技の説明をする切島くん。その手元を見ている霧華ちゃんの目は瞬きもせず、食い入るように見とった。今まで見た表情の中で一番輝いているようや。それは憧れや羨望に似た眼差しにも思えた。
「…で、こん時はピンチにも関わらず飛び込んでいって」
「切島くん。ヒーロー紹介にファットさんは入れてくれへんの。仲間外れ悲しいわあ」
ずいとソファの裏側から身を乗り出すと、そこで初めて気づいたかのような反応をされる。霧華ちゃんに至っては肩をビクゥっと跳ね上げさせていた。
「さ、さーせんっ!ご紹介が遅れましたっ。こちらは俺と環先輩がインターンでお世話になってるファットガム事務所のプロヒーローファットガムっス!」
「自己紹介二回目やな。ファットさんでええで。俺の個性は脂肪吸着。どんなものでも沈ませられる、沈ませ屋のファットさんや」
「沈ませ、屋。…沈ませ…う、海に…!?」
「それはヒーローあるまじき行為やんな。沈ませんのはこの脂肪にや」
妙な誤解が生まれかけたんのを秒で訂正したんはええが、霧華ちゃんが目を合わせてくれへん。あかん。なんや怖がられとる。そこを切島くんがすかさず「いい人だから怖くないっスよ!」とフォローを入れてくれた。それが嬉しくてつい目が潤みそうになる。
「せやけど、なんでヒーローの動画見せてん?」
「葉月さんに俺達ヒーローがどんな存在かっていうのを教えたかったんスよ。…個性が無い世界って俺には想像できねぇ。でも逆に考えたらめっちゃ恐ぇ存在なんじゃないかって。だから、俺達がどんな役割をして、怖くないって事を少しでも分かってもらえたら…」
「…ええ子やん。めっっちゃええ子やんかぁ!せや心の面ケアするんも大っ事なことやで!やっぱインターンに切島くん呼んでえかったわぁ!」
「うっス!あざっス!!」
今度こそ涙ぐみそうになったんをグッと堪え、切島くんの髪をわしゃわしゃと撫でつけた。硬化させた両手の拳をガチンと合わせ、元気よく答えてくれる。そこへいつの間にかシャワーから戻ってきていた環が「…眩しい」と呟いて、頭に被せていたバスタオルでさらに顔を覆い隠していた。