第二章
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23.正義のヒーロー見参
「私は相部屋でも気にしませんけど」
宿のチェックインをする際に彼女は一つの躊躇いも無くそう答えた。あまつさえ「今夜はぐっすり眠れそうですね」とまで言うのだ。人の気など露とも知らずに。カウンターで眉間を押さえる自分に対し具合が悪いのかと尋ねてくるので始末に負えない。
元よりそれぞれ別の部屋を取るつもりは無かった。戦術の心得が全くない人間を一人にする訳にもいかない。何かあった時の対処が遅れてしまう。それを踏まえて相部屋でもいいかと尋ねた結果がこれだ。もはや異性として認識されていないのではなかろうか。
潮風の薫る港町ヤーマスに到着したのは夕暮れ時。ここまでの道程、魔獣の群れと遭遇した事を除けば順調と言えただろう。火鳥の尾羽に触れた一頭の魔獣が悲鳴を上げたのを皮切りに群れは散り散りとなった。どうやら火を恐れる種族。お陰で無駄な体力を消耗せずに済んだ。
「それにしても、ボルカノさんって色んな術を使いますよね。私の知らない物も多いんですけど」
彼女は壁際のベッドに仰向けに寝転んでいた。長距離の移動で疲れが溜まっているのだろう。深く沈み込んだまま「目瞑ったら寝そう」と呟く。
「オレは元々術研究者でもある。天術に比べて地術は研究が進んでいて比較的誰でも身に着ける事が可能だ。だが四聖獣を冠とした術はまだまだ発展の余地がある。その術研究に日々試行錯誤を重ねているところだ」
「へえ~……じゃあ、ボルカノさんが編み出した術がゆくゆくは後世に伝わってくんですね。なんかカッコイイですねそういうの。……引き籠ってアイテム開発してるだけじゃなかったんですねえ」
「……君はオレの事を一体どういう目で見てきたんだ」
無言。暫く待ってみても返事が無い。この一瞬のうちに眠りについたのかと目をやれば、まさにその通りだった。横に向けた体を猫の様に背を丸め、うつらうつらとしている。
このまま声を掛けずにおけば眠りにつくだろう。無理に起こす必要もない。夕食の時間までそっとしておくか。
畳まれたブランケットを広げ、足先から肩まで覆い包む。
「夕食まで時間がある。それまで一眠りするといい。町の散策は明日でも構わないだろう」
声量を抑えて言ったつもりなのだが、耳聡く拾い上げた彼女の指先がぴくりと反応を示す。そして勢いよく跳ね起きた。その顔は先程まで眠りの淵に居たとは到底思えない。明瞭な声で「行きます!」と答えた。
「ヤーマスには二泊滞在だ。無理せずに休んだ方が良い」
「いえ、行きましょう!もしかしたらロビンに会えるかも!」
何が彼女をここまで焚き付けるのか。それは怪傑ロビンという人物らしい。名前に覚えがあると頭の中の引き出しを探る。情報を探し当てるより先に彼女がその詳細を熱く語り始めた。
このヤーマスには強きを挫き弱きを助ける正義の味方が存在する。民衆の前にどこからともなく姿を現し人々を救うという。
漆黒の装束に身を纏い、長いマントを風になびかせた凛々しい姿。白銀に輝く小剣を目にも止まらぬ速さで振るい、悪事を働く者に制裁を下す。町の平和と秩序を守る正義の味方に老若男女問わず人気があるそうだ。
町を散策がてら、怪傑ロビンの話に熱くなっていた彼女は頬を上気させていた。
「……そこへ駆けつけたロビンはあくどい貿易商人をバッタバッタと薙ぎ倒し、町の平和を守ったのであった!…ね、カッコいいですよね!」
「それだけ悪事を働く者が多いのなら自警団を立ち上げた方が良いとも思うがな」
麻薬の密輸売買、悪徳商法に裏取引が暗躍する商人の町だ。その正義の使者一人では全てを取り締まることは不可能。貿易が盛んな町であるならば尚更だ。複数の人間で町を見て回るのが良策ではないか。そう持論を語れば彼女は口を尖らせて「ロマンがないですね」と拗ねた。
「正体を隠して活動しているからカッコいいんですよ」
「その正体を君は知ってるんだろう」
「それはそうですけど。でもいくらボルカノさんに頼まれてもそれは秘密です」
然程知りたくもない。そう言ってしまえばまた頬を膨らませそうなので「ロマンが無くならないようその胸に閉まっておいてくれ」と返しておいた。
民家の白い外壁に照らされた夕陽が眩しい。夕時のせいか町中は人が多い。商業都市なだけあって商人や船舶関係者と見られる風貌の人間をよく見かける。
隣を歩く相手の歩調を気にかけ、それに合わせる様に少し歩みを緩める。こうして誰かの調子に合わせる事にまだ慣れずにいた。道一つ歩くにしても、歩幅の違いから気が付けば後方に置き去りにしている事もある。「私は歩くのが遅いから」「風景を見てたらのんびりしちゃって」と逆に気を使われてしまう場面もあった。
どちらかと言えば彼女の方が旅慣れていない筈だ。それでも自分が共に居れば不安もないと言ってくれた事が素直に嬉しいと思える。同時に危険に晒される様な事態にはさせないと強く誓いを立てた。
宿屋から程なくして町の広場が見えてきた。民家の瓦屋根がモウゼスの物と似ている、港町だから魚料理が今夜の夕食だろうか、ロビンが居ませんね。話題も尽きないというもの。
「そう都合よく事件が起きるとは限らない」
「それはそうですけど。ヤーマスに来たからには一度はお目にかかりたいなあって思ってるんです」
「まったく……君も物好きだな」
これではヤーマスへ怪傑ロビンを見に来た観光客。嗚呼、成程そういう事か。観光地としてのキャッチフレーズにも一役買っているというわけだ。
刹那、女性の悲鳴が聞こえてきた。町の中央広場からだ。次いで魔獣の咆哮。ただ事では無いと駆けつけてみると、四足の図体がでかい魔獣が広場を闊歩している。その場に円を描くよう人混みが掃けていく。まだ被害は出ていないようだが、魔獣は周囲を威嚇するように低い唸りを上げていた。最早猶予は一刻もない。
「ボルカノさん。あの魔獣、昼間に追い払った群れの」
「ああ。どうやら此処まで流れ着いてしまったようだな。……後始末といくか」
見覚えのある魔獣の青い眼光がこちらを捉えた。どうやら覚えているのは我々だけでは無いようだ。今度ばかりは火を恐れて尻尾を巻いて逃げる期待は出来そうにない。じりじりと様子を窺いながら距離を詰めてくる。
旅路で労を費やさずに済んだと思いきや先延ばしとなっただけ。奴が術の射程範囲に近づくより先に朱鳥術の詠唱を終え、足止めの術を発動させた。火の鎖が螺旋状に渦を巻く。それが魔獣の身体を拘束させ、地面に張りつかせる。これで暫くは身動きが取れない。
「ボルカノさん!まだ二体いますっ」
「問題ない。……纏めて焼き尽くす!」
町に潜り込んでいた魔獣が仲間の窮地を嗅ぎつけたようだ。その二体がこちらへじりじりと詰め寄ってくる。敵が複数となれば一度に仕留めるのみ。術法を増幅させる術を唱え、集中力を高める。
深碧の炎を宿し先程よりも複雑な詠唱を口上する間、一体の魔獣が牙を剥いて地面を蹴り上げた。だが、その牙はこちらに届く事なく目の前で崩れ落ちる。何者かが魔獣を一撃で仕留めたようだ。隼の様に剣技を繰り出したその主は漆黒のマントを風に翻し、右手には白銀の小剣を構えている。
途端、黄色い声が観衆から沸き上がった。噂のヒーローとやらがこの人物のようだ。
「町を脅かす魔獣め、この私が相手だ!」
彼はもう一体の魔獣に向かい、小剣を構えた。素早い身のこなしで魔獣のあらゆる攻撃を避け、隙を伺い、一気に踏み込む。常人の目には捉えられぬ剣技。地鳴りの様な呻き声をあげたきり、その魔獣の生命は絶たれた。
傍らで炎の呪縛から解放された先程の魔獣が悶えている。急遽術の標的をそちらへ変更し、高温の火柱で檻を形成。後に轟音を響かせ炎が消えると跡形も無くその姿を焼失させた。
どうやら町に迷い込んだ魔獣はこの三体のみ。事を片付けた怪傑ロビンは剣先の血を振り払い、鞘へと納めた。その背が踵を返し、靴音を鳴らしながら近づいてくる。
「旅の御仁方、この町の危機を救ってくれたことに感謝する。君たちが居なければ町の者に危害が加えられていただろう」
そう言って白い歯を見せ笑いかけてきた。彼女はというと目を輝かせて怪傑ロビンと向き合っている。最早握手を求めそうな眼差しだ。
「こちらこそ!ロビンさんが駆けつけてくれたおかげで助かりました!」
「この町に訪れる旅人に安らぎのひと時を与えるのも私の使命。どうか安心して休息をとってほしい。また何かあれば必ずこの怪傑ロビンが駆けつける。…では、さらばだ!」
マントを大袈裟に翻し、建物の屋根から屋根を跳び移っていく。瞬く間にその姿を人々の面前から眩ませた。
風のように現れ、風のように去る。周囲からロビンコールが沸き起こり、町の広場は歓声に包まれていた。隣で余韻に浸る彼女には悪いが、あのロビンという男は恰好つけすぎではなかろうか。
「私は相部屋でも気にしませんけど」
宿のチェックインをする際に彼女は一つの躊躇いも無くそう答えた。あまつさえ「今夜はぐっすり眠れそうですね」とまで言うのだ。人の気など露とも知らずに。カウンターで眉間を押さえる自分に対し具合が悪いのかと尋ねてくるので始末に負えない。
元よりそれぞれ別の部屋を取るつもりは無かった。戦術の心得が全くない人間を一人にする訳にもいかない。何かあった時の対処が遅れてしまう。それを踏まえて相部屋でもいいかと尋ねた結果がこれだ。もはや異性として認識されていないのではなかろうか。
潮風の薫る港町ヤーマスに到着したのは夕暮れ時。ここまでの道程、魔獣の群れと遭遇した事を除けば順調と言えただろう。火鳥の尾羽に触れた一頭の魔獣が悲鳴を上げたのを皮切りに群れは散り散りとなった。どうやら火を恐れる種族。お陰で無駄な体力を消耗せずに済んだ。
「それにしても、ボルカノさんって色んな術を使いますよね。私の知らない物も多いんですけど」
彼女は壁際のベッドに仰向けに寝転んでいた。長距離の移動で疲れが溜まっているのだろう。深く沈み込んだまま「目瞑ったら寝そう」と呟く。
「オレは元々術研究者でもある。天術に比べて地術は研究が進んでいて比較的誰でも身に着ける事が可能だ。だが四聖獣を冠とした術はまだまだ発展の余地がある。その術研究に日々試行錯誤を重ねているところだ」
「へえ~……じゃあ、ボルカノさんが編み出した術がゆくゆくは後世に伝わってくんですね。なんかカッコイイですねそういうの。……引き籠ってアイテム開発してるだけじゃなかったんですねえ」
「……君はオレの事を一体どういう目で見てきたんだ」
無言。暫く待ってみても返事が無い。この一瞬のうちに眠りについたのかと目をやれば、まさにその通りだった。横に向けた体を猫の様に背を丸め、うつらうつらとしている。
このまま声を掛けずにおけば眠りにつくだろう。無理に起こす必要もない。夕食の時間までそっとしておくか。
畳まれたブランケットを広げ、足先から肩まで覆い包む。
「夕食まで時間がある。それまで一眠りするといい。町の散策は明日でも構わないだろう」
声量を抑えて言ったつもりなのだが、耳聡く拾い上げた彼女の指先がぴくりと反応を示す。そして勢いよく跳ね起きた。その顔は先程まで眠りの淵に居たとは到底思えない。明瞭な声で「行きます!」と答えた。
「ヤーマスには二泊滞在だ。無理せずに休んだ方が良い」
「いえ、行きましょう!もしかしたらロビンに会えるかも!」
何が彼女をここまで焚き付けるのか。それは怪傑ロビンという人物らしい。名前に覚えがあると頭の中の引き出しを探る。情報を探し当てるより先に彼女がその詳細を熱く語り始めた。
このヤーマスには強きを挫き弱きを助ける正義の味方が存在する。民衆の前にどこからともなく姿を現し人々を救うという。
漆黒の装束に身を纏い、長いマントを風になびかせた凛々しい姿。白銀に輝く小剣を目にも止まらぬ速さで振るい、悪事を働く者に制裁を下す。町の平和と秩序を守る正義の味方に老若男女問わず人気があるそうだ。
町を散策がてら、怪傑ロビンの話に熱くなっていた彼女は頬を上気させていた。
「……そこへ駆けつけたロビンはあくどい貿易商人をバッタバッタと薙ぎ倒し、町の平和を守ったのであった!…ね、カッコいいですよね!」
「それだけ悪事を働く者が多いのなら自警団を立ち上げた方が良いとも思うがな」
麻薬の密輸売買、悪徳商法に裏取引が暗躍する商人の町だ。その正義の使者一人では全てを取り締まることは不可能。貿易が盛んな町であるならば尚更だ。複数の人間で町を見て回るのが良策ではないか。そう持論を語れば彼女は口を尖らせて「ロマンがないですね」と拗ねた。
「正体を隠して活動しているからカッコいいんですよ」
「その正体を君は知ってるんだろう」
「それはそうですけど。でもいくらボルカノさんに頼まれてもそれは秘密です」
然程知りたくもない。そう言ってしまえばまた頬を膨らませそうなので「ロマンが無くならないようその胸に閉まっておいてくれ」と返しておいた。
民家の白い外壁に照らされた夕陽が眩しい。夕時のせいか町中は人が多い。商業都市なだけあって商人や船舶関係者と見られる風貌の人間をよく見かける。
隣を歩く相手の歩調を気にかけ、それに合わせる様に少し歩みを緩める。こうして誰かの調子に合わせる事にまだ慣れずにいた。道一つ歩くにしても、歩幅の違いから気が付けば後方に置き去りにしている事もある。「私は歩くのが遅いから」「風景を見てたらのんびりしちゃって」と逆に気を使われてしまう場面もあった。
どちらかと言えば彼女の方が旅慣れていない筈だ。それでも自分が共に居れば不安もないと言ってくれた事が素直に嬉しいと思える。同時に危険に晒される様な事態にはさせないと強く誓いを立てた。
宿屋から程なくして町の広場が見えてきた。民家の瓦屋根がモウゼスの物と似ている、港町だから魚料理が今夜の夕食だろうか、ロビンが居ませんね。話題も尽きないというもの。
「そう都合よく事件が起きるとは限らない」
「それはそうですけど。ヤーマスに来たからには一度はお目にかかりたいなあって思ってるんです」
「まったく……君も物好きだな」
これではヤーマスへ怪傑ロビンを見に来た観光客。嗚呼、成程そういう事か。観光地としてのキャッチフレーズにも一役買っているというわけだ。
刹那、女性の悲鳴が聞こえてきた。町の中央広場からだ。次いで魔獣の咆哮。ただ事では無いと駆けつけてみると、四足の図体がでかい魔獣が広場を闊歩している。その場に円を描くよう人混みが掃けていく。まだ被害は出ていないようだが、魔獣は周囲を威嚇するように低い唸りを上げていた。最早猶予は一刻もない。
「ボルカノさん。あの魔獣、昼間に追い払った群れの」
「ああ。どうやら此処まで流れ着いてしまったようだな。……後始末といくか」
見覚えのある魔獣の青い眼光がこちらを捉えた。どうやら覚えているのは我々だけでは無いようだ。今度ばかりは火を恐れて尻尾を巻いて逃げる期待は出来そうにない。じりじりと様子を窺いながら距離を詰めてくる。
旅路で労を費やさずに済んだと思いきや先延ばしとなっただけ。奴が術の射程範囲に近づくより先に朱鳥術の詠唱を終え、足止めの術を発動させた。火の鎖が螺旋状に渦を巻く。それが魔獣の身体を拘束させ、地面に張りつかせる。これで暫くは身動きが取れない。
「ボルカノさん!まだ二体いますっ」
「問題ない。……纏めて焼き尽くす!」
町に潜り込んでいた魔獣が仲間の窮地を嗅ぎつけたようだ。その二体がこちらへじりじりと詰め寄ってくる。敵が複数となれば一度に仕留めるのみ。術法を増幅させる術を唱え、集中力を高める。
深碧の炎を宿し先程よりも複雑な詠唱を口上する間、一体の魔獣が牙を剥いて地面を蹴り上げた。だが、その牙はこちらに届く事なく目の前で崩れ落ちる。何者かが魔獣を一撃で仕留めたようだ。隼の様に剣技を繰り出したその主は漆黒のマントを風に翻し、右手には白銀の小剣を構えている。
途端、黄色い声が観衆から沸き上がった。噂のヒーローとやらがこの人物のようだ。
「町を脅かす魔獣め、この私が相手だ!」
彼はもう一体の魔獣に向かい、小剣を構えた。素早い身のこなしで魔獣のあらゆる攻撃を避け、隙を伺い、一気に踏み込む。常人の目には捉えられぬ剣技。地鳴りの様な呻き声をあげたきり、その魔獣の生命は絶たれた。
傍らで炎の呪縛から解放された先程の魔獣が悶えている。急遽術の標的をそちらへ変更し、高温の火柱で檻を形成。後に轟音を響かせ炎が消えると跡形も無くその姿を焼失させた。
どうやら町に迷い込んだ魔獣はこの三体のみ。事を片付けた怪傑ロビンは剣先の血を振り払い、鞘へと納めた。その背が踵を返し、靴音を鳴らしながら近づいてくる。
「旅の御仁方、この町の危機を救ってくれたことに感謝する。君たちが居なければ町の者に危害が加えられていただろう」
そう言って白い歯を見せ笑いかけてきた。彼女はというと目を輝かせて怪傑ロビンと向き合っている。最早握手を求めそうな眼差しだ。
「こちらこそ!ロビンさんが駆けつけてくれたおかげで助かりました!」
「この町に訪れる旅人に安らぎのひと時を与えるのも私の使命。どうか安心して休息をとってほしい。また何かあれば必ずこの怪傑ロビンが駆けつける。…では、さらばだ!」
マントを大袈裟に翻し、建物の屋根から屋根を跳び移っていく。瞬く間にその姿を人々の面前から眩ませた。
風のように現れ、風のように去る。周囲からロビンコールが沸き起こり、町の広場は歓声に包まれていた。隣で余韻に浸る彼女には悪いが、あのロビンという男は恰好つけすぎではなかろうか。