ひがんのひなぎくたち

──死んだら楽になる。そんな事、誰かが言った。


閻魔庁では今日も亡者の裁判が行われている。
そんな場所に次期十王候補と呼ばれる青年たちがいた。
彼らは現十王たちに見出され、日々手伝いに追われていた。

いつも一歩引いて皆を見ている者。
いつでも笑顔を絶やさない、でもどこか無理しているように見える者。
どこか影のある者。

優しい場所の筈なのに、少しズレているような感覚。
表面上は変わらない冥府での日常。

まだ前を向くことの出来ていない青年たちが、ほんの少しだけ前を向く冥府日常物語、ここに開幕──。

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