#06 誰も知らないあなたの顔
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「何でそれを?」
顔を振り向けて見れば、征陸さんのトレンチから覗くは先ほど大物に例えられたウォッカ。
『打ち上げよっ……痛いです、いやマジに。』
後頭部にヒットした一撃に訴えるが、返ってきたのはニヒルな笑みのみ。
「違法ホログラフへの対策には強い酒が一番なのさ。」
「二十歳になってからの豆知識だな。」
『……やっぱ、飲むの?』
思わず敬語を忘れて見上げると、その両目が何故か小さく揺れて逸らされた
『…っきゃ』
のに気を取られた次の瞬間、大きな手に頭を押さえつけられる。
ピンポーンと軽い音をたてて開いたドアにその足が踏み出されると同時に強まった力に危うくバランスを崩しかけ、よろめく。
さっさと歩いていく広い背中を睨みつけ、追いかける。
犬は好きだが、言うことをきかないのは、別だ。
カードリーダーが、そのランプ表示をグリーンに変える。
朱ちゃんの手によって思い切りよく開け放たれた扉に飛び込む狡噛さんと征陸さんを見送り、朱ちゃんに続く。
「公安局です!御堂将剛、サイコパスの提示を要求します。出てきて下さい。」
広めのワンルームに銃口を突きつけた瞬間、また耳にあのノイズが奔る。
『これって…!』
「ホロコスどころか、内装ホロまでクラッキングしてやがる!」
苦々しげに吐き捨てられた言葉に、足元が揺らいだ。