#06 誰も知らないあなたの顔
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「逆にこの時点で、タリスマン・サルーンへの来場が途絶えた常連が何人かいる…このグラフのパターンが鍵だ。」
『メランコリアの時任雄一が死んだ半年前、そしてスプーキーブーギーの…菅原昭子が死んだ一昨日。これと同じパターンを示したユーザーがいる筈。』
「そうか……それが犯人の本来のアバター…!」
薄暗い明かりに照らされた顔が確信に満ち、顎を引く。
『犯人は被害者のアバターを乗っ取った時点で、それぞれの運営するコミュフィールドを訪れる必要性がなくなった、と。きましたねこれはー?』
軽薄そうな口調や振る舞いに反して、思考方は極めて柔軟でありながら論理的。
どうしてもそこにその姿を重ねたがる自分を認識し、内心で哂う。
「どうだ、該当者はいるか?」
「どんぴしゃな奴が一人だけ。御堂将剛、27歳。ヴァーチャルスポーツ運営会社に勤務。」
「サイコパス色相チェックは4年前の定期健診が最後…以後は街頭スキャナに引っかかったことすらないのか。」
「日ごろからスキャナの場所を避けて通るくらいには、後ろ暗い事情があるってことですね。」
「コイツのアクセス記録を追跡。」
「もう済ませたわ。最後のアクセスはほんの数分前、港区六本木のビジネスホテルから。自宅は…同じく港区、元麻布。」
「常守監視官、佐々山監視官。狡噛と征陸 を連れてホテルの部屋を調査だ。」
「はい!」
『りょおかい。』
「俺は縢と六合塚とで、元麻布の自宅を当たる。」
『お気を「それはもう止めろ。」
苛ただしげに指差したギノもきっと、それは同じなのかもしれないと思う。