#06 誰も知らないあなたの顔
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ずらりと並んだ会話記録の各所で頻出単語が色分けされて、浮かび上がる。
どうやらパソコンは苦手なわけではなく、ただ、好きではないらしい。
「やっぱりだ……スプーキーブーギーは過去ログでは"警察"って言葉をほとんど使ったことがない。」
狡噛さんの言葉に兆す、暗色の事態。
「今朝お前が話したのは、別人だ。」
こちらを見上げた光ちゃんの顔が、険しくなる。
『今私達が追っているのは、他人のアバターを乗っ取ってなりすます殺人犯だよ。』
**********
「まぁたこりゃアレそうな…」
逆探で得た情報を基に向かった古びた高層マンションは、どの窓も死んだように静まり返っている。
「この部屋だ。」
赤外線スキャンの後表示された文字に、掌のドミネーターの感触を確かめる。
縢のサインに頷き、ドアブリーチの指示。
扉が取り外されるのと同時に踏み込んでいく二人に遅れる形で、駆け出す。
風呂場に続くドアを半身になって開けた瞬間届いた声に
「どうし「やっべぇ!!」
血相を変えて走ってくる六合塚と縢に習い、身を翻す。
――お気をつけてー
縁起でもない、とはよく言ったものだ。
舌打ちの直後、鼓膜にさらに膜が張ったような感覚。
「ギノさんっ」