#06 誰も知らないあなたの顔
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<ふぅう~ん、なんだか面白そう。>
<え?>
<ちょっと協力してあげようか?>
向こうの話を聞きながらも、頭はしっかりこちらに集中しているらしい。
記録を眺める目が時折、会話の語尾や繰り返される単語が色分けされて表示される文字列に動く。
<公安局の幹部候補に恩を売っておくのも、悪くないじゃない?>
『…ん…』
<ふぅう~ん、なんだか面白そう。ちょっと協力してあげようか?>
<ごめんで済んだら警察は要らないんじゃない?>
<はぁ~あ、本当に警察なんかと手を組むんじゃなかった。>
「…こいつだ。」
「あ、何がですか?」
<本当に警察なんかと手を組むんじゃなかった。>
室内に響き渡った声に、とっつあんがくるりと椅子を回す。
「言葉遣いが違う。最初は"公安局"、次は"警察"。」
「偶然じゃないですか?」
「じゃ、手に入る限りの過去ログを洗ってみよう。佐々山。」
滑らかにキーボードを叩く指と裏腹のその横顔に知らず、目を細めた。