#05 誰も知らないあなたの仮面
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「オフ会?」
「ええ。普段ネット上のコミュフィールドに集まっているユーザー同士が、皆でソーシャルネットでのアバターと同じホロコスを被ってパーティーをするんです。」
「妙なことを思いつくもんだな。」
「で、そのイベントには間違いなくタリスマンも参加するのか。」
狡噛さんに頷き、向き直る。
「あれで欠席したら、タリスマンの人気はがた落ちです。葉山公彦の代わりにタリスマンを演じているのが誰にせよ、あれだけ熱心にコミュフィールドの運営を続けてるんです…きっと、オフ会にもタリスマンに成りすまして出てくる筈です。」
「どんなホロコスを被っていようと、そいつが執行対象になるだけの犯罪係数が確認できれば、こっちのモンだ。」
「で、場所は?」
「六本木のクラブ、エグゾゼです。」
『エグゾゼ?』
それまで黙して【月刊世界のアニメ】を読んでいた光ちゃんが、パソコンの陰から顔を出す。
「さっすがリア充~。行ったことあんのかよ?」
からかい混じりの問いかけに、その眉根が寄る。
『ありません。残念ながら。』
言いながら雑誌を閉じた光ちゃんが、宜野座さんに顔を向ける。
『でもあんまり良い話を聞く場所じゃないです。店側に協力を依頼するのは止めておいた方が良いかもしれないですね。』
難しそうな表情で考え込んでいた宜野座さんから何気なく動かした視線が、ある一点で止まる。
「わかった。では二手に分かれて張り込みをかけよう。狡噛、征陸。二人につけ。」
「「了解」」
短い返答を返したその手が、煙草に伸びた。