#05 誰も知らないあなたの仮面
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「開いたよ。」
その声に、三つものパソコンが並べられた机に向かう。
「葉山がネットで使っていたアバターは、こいつか。」
「アフィリエイトで食っていけるんだから、相当な人気者だったんでしょうねえ。」
そこに映っていたのは
「タリスマン…」
「何?」
「私、今朝……このアバターと会ってます。」
こちらを見つめる奇怪なマスクの紳士に、目を、凝らした。
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「そんなワケで、ウチの可愛い鑑識ドローンが頑張った結果、葉山さん家の排水溝からはめでたく遺体の断片が見つかりました。はい拍手~」
パチパチと手を合わせた唐之杜さんにただ一人続いた光ちゃんは、実はかなり素直なんだと思う。
「なのに誰かがネット上で葉山のコミュフィールドを運営し、葉山のアバターでうろつき回ってると。」
「正解♪」
「怪談だね。成仏できずにネットを彷徨う幽霊ってか?」
「誰かが成り代わってるのか?」
一番考えやすい可能性を口にした征陸さんに、赤いルージュを引いた唇が優美な弧を描く。
「どうだかねぇ。葉山は失踪する以前から、ふざけ半分に偽装IPを使ってたみたい。」
「アクセスルートの追跡は?」
「試してみてもいいけどさー、なぁんか明らかに胡散臭いプロキシサーバを経由してるからねー…まあ間違いなく、逆探知対策は講じてるだろうね。下手に追跡かけると、先方にも感づかれるよ。」
伺い見た横顔に、ほっと息を吐く。
吐き出された煙にその眉間に刻まれた皺が一本、増えた。