#01 犯罪係数
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テント下に入ってきた人達を見て真っ先に思ったのは、疲れてそうだな、ということだった。
トレンチを羽織った、いかにも刑事ですといった感じの初老手前な男性に、その隣で降り続く雨に目をやっているモッズコートの男性。
長い黒髪を後ろで一つにしたスタイルの良い女性に、自分よりも明るい色の髪をセットした男性は…同年代くらいだろうか。
皆一癖ありそうな雰囲気を醸し出してはいるが、それを言ったら宜野座さんも同じだ。
そんなふうに観察と批評を勝手に済ませていると、頭の後ろで手を組んでかったるそうにしていた男性がこちらを向く。
「お!そっちの可愛い子ちゃん達が噂の新入りさんスかぁ、ギノさーん?」
「…常守朱監視官、佐々山光監視官だ。」
「よ、宜しくお願いします!」
そう言ってほぼ直角に腰を折った朱ちゃんを見て、遅れて頭を下げる。
『宜しくお願いしまーす。』
「全員、対象のデータには目を通してあるな。」
朱ちゃんの礼儀正しい挨拶さえもなかったかのような空気に顔を上げ、少々害された気分でジャケットのジッパーを上げた。
「これから袋のネズミをさらに締め潰す。二手に分かれて順繰りにいく…佐々山と六合塚、縢は俺と来い。後の二人は、常守監視官に同伴しろ。」
「了解。」
「宜しく~。」
こちらに向かって笑顔で手を振る縢さんに小さく頭を下げ、朱ちゃんを振り返る。
『じゃ、また後で。』
「うん…き、気をつけてね!」
多分に心配と不安の含まれた声に顔だけで笑い、『そっちも』と手をあげる。
「あ、ソレけっこー重いから気をつけてね。」
甘ったるい口調に内心辟易しながら、明らかに機動性に欠けそうなシルエットの拳銃を手に取る。
『………ホントだ。』