#05 誰も知らないあなたの仮面
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カーペットを捲ったその下を、覗き込む。
「コイツを隠したかったんだな。」
「こんな小さな傷がどうした。」
「鑑識ドローンにスキャンさせろ。」
そう言って無造作に顎をしゃくり、部屋の端でしゃがみ込んだ狡噛さんの背を、見つめる。
「やっぱりだ、テープの跡だな…」
「どういうことだ。」
「この部屋の中から葉山公彦を、影も残さず消しちまった手品のタネさ。まずは絞殺か毒殺…電気ショックの心臓麻痺でもいい。」
いささか物騒過ぎる手品の種の披露に、なんとなく日の光に目をやる。
「出血のない方法で犠牲者を殺し、それから部屋にビニールシートを敷いて遺体を細切れに分解する。」
ああ今日も
「風呂やトイレの排水溝から流せる程度にまで粉々に。」
いい天気だ。
「恐らく殺す段階で抵抗されたんだろう。床に傷が残り、それからビニールシートを固定したテープの跡も残しちまった……度胸と根性はあるが、素人のコロシだな。」
そんな爽やかに、しかも褒め言葉付で言う台詞では絶対にない。
「まさか……」
「征陸のとっつあんならこんな程度、部屋に踏み込んだ途端に嗅ぎ当てるぜ、ギノ。猟犬の嗅覚を舐めるなよ。」
途端眉を吊り上げて言い返そうとした宜野座さんの、名前を呼ぶ。
『とりあえず下水管の血液反応チェックしてみませんか。』
「……わかった。」
置かれた間と、いかにも渋々といったその口調に知らず、微笑んだ。