#05 誰も知らないあなたの仮面
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
昨日の残りのミートソーススパゲッティに多少のホワイトソースとチーズをかけてオーブンに突っ込み、数分。
先輩同僚と食べるには若干お手軽で子ども過ぎるメニューだが、さらに適当に作ったサラダ、あとは秘密道具で誤魔化せるだろう。
『大人しいワンちゃんですねー。』
「…まあな……というか軒とか言うから中華かと思えば…思いっきり洋風じゃないか……。」
椅子を引いた宜野座さんの呟きに、緩く尻尾を振るハスキーを撫でていた手を止める。
『え、なんとか軒って名乗ったら中華屋さんなんですか?』
「一概には言えないだろうが、まぁ…大抵の人間はそう思うだろうな。」
『へー。じゃあ洋風の時は何て言えばいいんですか?』
「……知らないな。」
『…和風の時は?』
「………さぁな。」
愛想もへったくれも、取り付く島も無い返答に顔が引き攣るが、ここは我慢だ。
『さて、お口に合わないかもしれないですが熱いうちにどーぞ。』
無言でこちらを見つめる眼鏡の奥の瞳に微笑み…というかむしろもう、それしかできない。
「……何のつもりだ?」
『……何のつもりもないですよ。ただたくさん出来たから、同じく疲れてるだろうし、一緒にどうかなと思っただけです。』
脱力して肩を落とすと、尚もこちらを見ていたその視線が料理に落ちる。
『……別にど「いただきます。」
不覚にもちょっと、ときめいてしまった。