#05 誰も知らないあなたの仮面
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窓外に鏤められた明かりが今日はやたら目につき、閉め出すようにカーテンを引く。
ソファに身を沈めて一息吐けば、一瞬で眠りに落ちてしまえそうだった。
明日は午後から出勤なのでそれも良いかと、頭を拭きながら冷蔵庫へと向かう。
水の入ったボトルを手に取ろうとした時ポーンと軽い電子音が響き、眉を寄せる。
こんな時間に自宅を訪問してくる人物に心当たりなど無い。
「ダイム、待て。……いい子だ。」
そうして一歩足を踏み出した眼前に広がる、玄関前の映像。
思わず眼鏡を押し上げて見ても、その姿が消えるわけはなく。
一瞬迷い、結局ドアノブに手をかける。
見下ろしたその先で、つい数時間前まで見ていた顔に何故かそれを忘れさせる笑みが、浮かんだ。
『まいどー、佐々山軒でーす!』
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この間も思ったが、髪を下ろすとその外見年齢が一気に上がる。
ややきつめの感のある目元が目立つようになるが、客観的に見て、かなり…
『いやーお疲れ様でした今日ー。』
「………」
『まさか官庁街で追いかけっこすることになるとはー。しかも交代直前。ツイてなかったですね私達ー。』
「………何の用だ。」
間延びした口調に息を吐いて問うと、大きな瞳がひとつ瞬き、その首が傾げられる。
『え…っと』と、何故そこで返答につまるのか、理解し難い。
『………出前?』