#04 たまには色相の曇らない24時
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「また……」
例によって手抜きの目立つ縢の報告書に眉根を寄せ、舌打つ。
映像データばかりで、自身の行動やその理由、解決に至る経緯といった本当に必要なものが明らかに不足している。
再三に渡り注意しているにも関わらず一向に改善される気配はなく、むしろエスカレートしているような気さえして。
なんとなく目を向けた、隣に二つ並んだデスクの主達は、昼食後から一切姿を見せず。
どうせどこかで呑気にお喋りに花を咲かせているのだろう。
誰もいない一係室内の空気を掻きまわすファンの音に、ため息が混じる。
「………」
デスクの引き出しを開け、アルバムを開く。
ずらりと並んだ昔の硬貨や紙幣を眺め始めた時。
「や、だからね、コウちゃんレアと焼いたやつとどっちが好き?」
「…別にど『分かりますー焼いた方ですよねー、ですよねー!』
「何勝手に決めてんだよ!」
『以心伝心てやつよ。そして勿論朱ちゃんも焼いたやつの方がいいよねー?』
「ん…んと私はどっちかって言うとレアのが…」
「はっバァァァカ!」という縢の声に、佐々山の『何だとー!』という声が被さる。
足音を圧して響くその音量にこめかみが引き攣るのを自覚しながら、アルバムを引き出しにしまう。
「おいおま……」
ドアが開くと同時に言いかけた言葉が、その顔に浮かぶ表情に、引っ込んだ。