#03 飼育の作法
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「……ここだ……」
さすがに息が乱れ、ヒールを持った手を膝へ置く。
『……ってか…現行犯…なんだから、応援を要請して……て無理か…』
自分の言葉を自分で否定して、頭上を見上げる。
降ってくる火花に思わず悪態を吐き、円形にくり貫かれた鉄材を踏み台に落ちてきたその物体に、後ずさった。
「狡噛ィ!」
ホールに響いた凜とした声に振り返りかけた瞬間、伸びてきた腕に突き飛ばされる。
『きゃ……!?』
「貴様らあああっ」
<ユーザー認証。狡噛慎也執行官。使用許諾確認。>
「うおおおおおっ」
雄叫びを上げながら突っ込んできた縢くんが、そのまま一体を弾き飛ばす。
<犯罪係数、265。執行対象です。>
トリガーにかけられた指に力がかかり、過たず的を貫く。
白目を剥いて転がり落ちた金原に目をやった直後、ドローンの赤眼がこちらを向く。
前に立つ背中から立ち上る気配が変わり、腰が沈む。
振り下ろされた巨腕を左に跳んで避けたその黒髪がなびき、思わず声を上げる。
『狡噛さん!!』
初めて呼んだ名前は、なんだかそんな気もしなくて。
向けられた眼差しもやっぱり、そうなんだ。