#32 完璧な世界 後編
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『尊くあるべき筈の法を、何よりも貶める事はなんだか分かってる?』
伏せた目に映る、真っ白な床。
――このクソっ垂れな街の市民様どもが何千人と死んでこうが構やしねぇ。だがな、アイツ等に殺し合いをさせてるヤツだけがのうのうと生きてるってのが気に喰わねんだよ。
あの時のアレは、本当だった。
縢くんは此処で、この場所で本気で、怒っていた。
まずてめぇから真っ先に死ねよ!殺した数だけ繰り返し死んどけってんだよ!!
その生き方が、在り方が例え善でなくても絶対に悪なんかじゃない人達の為に。
自分の”正義”を使って。
あの人のそれをアタシは、絶対に忘れない。
『守るに値しない法律を作り、運用する事よ。』
あの人のだけじゃないきっと
「人間を甘くみないことね。私達はいつだって、より良い社会を目指してる。いつか誰かがこの部屋の電源を落としにやってくるわ。きっと新しい道をみつけてみせる…!シビュラシステム、貴方達に未来なんて無いのよ。」
唐突に響いた電子の笑い声に、視線を強くする。
<常守朱。佐々山光。>
きっと確かに託された何かを引き継いで、生きていくそうして
<抗いなさい。苦悩しなさい。我々に進化をもたらす糧として。>
無数の悦に晒されながら、踵を返す。
いつの日か、必ず。