#31 完璧な世界 前編
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真っ暗な闇。
広くて深くて、心地良くて、安心する。
乾いた香りに混じって届いた煙草の匂いにまた思考が、途切れてしまう。
そうして次に意識に入り込んできたのは、かん高く澄んだ音。
「……――」
開いた目に映った路面に散る、小さな金色の輝き。
「…駄目…」
こちらを見下ろすその境界の瞳が、ふっと逸れていく。
駄目
だって、もう少しだったのに。
ねぇだって、貴方はもう少しで、ねぇ。
「…これは、俺とアイツだけの問題なんだ。」
「ンっ…――」
違う。
リボルバーを片手に目を伏せていたその足が一歩を踏み出しやがて、駆け出していく。
待って
行かないで。
「狡噛さアアアん」
叫んだ名前がなのに目の前で、届かない。
「……っ…―くっ…ふ…うっ…」