#31 完璧な世界 前編
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靴裏で踏みつけた小さな頭が、微かな苦鳴を漏らす。
乾いた音と匂いに混じる鮮烈な血の香り。
滑る指先で撃鉄を、起こす。
――そう。
廻る弾倉に
大きな瞳を伏せて細い顎に手を添えたその横顔が、浮かぶ。
意志を、…意識を保持する以上それをしなきゃならない。
沈んでいく街を一緒に見送ったあの瞳に映っていた自分と
……大丈夫かい?
可愛いお嬢さん?
そう問いかけた瞳に映っていた自分と。
……私が選んだの……
思考が唐突に、過去を悟る。
「………そうか。君は……」
半ば勝手に力の抜けた指先から離れたリボルバーが、地に落ちる。
概念と観念は全く別のモノよ。
波打つ碧の淵を満たす光はいつか、碧暗い水底に射す、揺れる光に。
「………」
君は
知っていたのか。