#31 完璧な世界 前編
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真っ直ぐにこちらを見上げてくる、大きな瞳。
差し出された銃杷にほとんど、反射で手が上がる。
「槙島は、パラライザーで麻痺させるだけ。」
馴染み深い感触を受け入れた掌が理性とは違うところで、意思を揺らめかせるのが分かった。
「それ以上のことをしようとしたら、私は貴方の足を撃ちます。」
なぁ。
――貴方に貴方の”正義”があるように私にも、私の”正義”がある。
朱ちゃん、朱ちゃんと煩いのに本当は。
「……驚いたね。」
掲げたドミネーターのモードを確認し、苦笑する。
だけど
慣れない手つきでリボルバーを改めていた常守の目が、無遠慮にそして無造作に自分を映す。
「タフになるとは思っちゃいたが、まだもう少し可愛げがあっても良かったと思うぜ。」
槙島の存在を、赦す事など出来はしない。
だがこの娘の生き方を、信念を、否定なんてしたくはない。
俺の”正義”は、俺でなくちゃならない。
そういう事なんです
今更気づいた俺に
言えた話じゃあ、ないよな。