#31 完璧な世界 前編
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「「!?」」
信じられない動きで蹴り上げられたスタングレネードが天井近くまで上がるのを見て、目を逸らす。
網膜を焼く輝きが収束するのを待って再び開けて両手に、力を込め直す。
私も
「っ「そこまでです…!」
少しの純粋な驚きを含んだ、見慣れた眼差しを、見返す。
「狡噛さん…。動かないで下さい。」
向けた銃口に瞬時に冷たく、硬質な色に変わった瞳がややあって背けられる。
流されたばかりの血に落とされていた視線がなのにまた、こちらを見下ろした今は、もう。
溜息の落ちる音を金属音が緩慢に、かき消す。
「…槙島もすぐ側にいるぞ。」
不貞腐れたような、呆れたようなつまりヤケクソ気味なその、顔に。
ねぇ、少しは。
「分かってます。あの男も捕まえます。」
「ここで俺にワッパを掛けて、後はアンタ一人で槙島を追う気か?」
拾い上げた古そうな拳銃に落としていた目を上げて、振り向く。
「そこまで無謀じゃありませんよ、私。」
膝を伸ばして立ち上がり、そういえば久し振りにちゃんと、向き合う。
「セイフティは解除されたままで、パラライザーで固定されてます。今の貴方にも使える筈です。手伝ってください。」
変わったでしょう?