#03 飼育の作法
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『……なんで私……?』
男子トイレの入り口横の壁に身を預け、状況を一人嘆く。
――その靴走りやすい?
どう想像しても肉体労働的な展開を予想させる問いに、ヒールを確認する。
『走りやすいわけないっしょ…。』
きちんと磨かれた靴を見下ろし、その値段と購入した時の気分を思い出しかけた時だった。
「うわあああああ!?」
目を見開き、慌てて中を覗き込む。
「こんな処に居たのか黄緑野郎!」
乱暴に転がされた金原が、その長い足の下で頭を抱えて蹲る。
「人殺しの後のメシは旨いか?ええ゙、どうなんだ!!」
『んな……!?』
思いっきりドスの聞いた声に、開いた口が塞がらない。
「塩山も浅見も郡山も、キサマが殺した。そうだな!?」
「な、なんで…そんな……」
「キサマがここに閉じこもってる限り犯罪は立証できない…だがなぁ、俺はキサマが嫌いだぁ。」
全く理解不能な言い分に嫌な予感ばかりが募り、靴の機能性に対する問いかけの意味が分かり始める。
「俺達執行官はなぁ、他の潜在犯をいたぶるのが好きなんだ。」
とてつもなくえげつなく、嫌な趣味だ。
「だからぁ、キサマがどこにも逃げ出せないようこの工場に釘付けにしてやる。」