#31 完璧な世界 前編
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――お前に、世界が壊せるか?
あの人の元から戻った私に、貴方はそう言った。
混迷を極めるあの場所の頂点で私を迎えた貴方の兄さんが口にしたのと、そっくりそのまま、同じ問い。
何も、解ってない。
誰も
ちっともアタシを、分かっていない。
私はただ――
だけどそれで良かった。
繋がらなくていい、結ばれなくていい。
独りで、いい。
光
あの時、貴方の手を取らなかった私だから。
取らなかった事を、拒んだ事を貴方の優しさのせいにした、私だから。
『………』
背後から吹いてきた風に行く先の黄金の海が、さざめく。
射しかけられた橋と空の境界が一歩踏み出すごとに、近くなる。