#30 血の褒賞
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降ってきた罵声に、瞼を上げる。
「なんで犯人を逃がした!なんで…!」
肩にかけられた伸元の掌の感触は、全く無い。
ぼやけては焦点を結んでの繰り返しのその間隔が徐々に、短くなっていく。
それでも
「アンタは刑事だろ!!」
「…刑事なんて…ロクなモンじゃあねぇよ……」
よく、知ってるだろう?
そんな事は。
伸ばした手を、その頬にあてると知らず、笑いが零れた。
「やっぱ、親子なんだなぁ…。」
その顔が見たくて、ずっと、見ていたくて。
「目元なんざぁ、若い頃の俺に……そっくりだ…。」
唇を震わせてこちらを見下ろす伸元の目から溢れた涙が、掌を濡らす。
どうかここを
生き抜いて。
「…親父…」
いつかどうか出来るなら
また。