#30 血の褒賞
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「う゛うおおおおおっ」
咆哮しながら駆け出した征陸が、目と鼻の先に転がった爆弾に手を伸ばす。
掴んで放り投げようとした瞬間に轟いた、爆音。
迫ってくる粉塵と煙から咄嗟に目を閉じ、顔を庇う。
濛々と立ち込めていた煙が、晴れていく。
それを掻き分けるようにして凝らした目に、映ったものに
「ッ」
反射的に起こした身が、コンテナで押さえつけられる。
「~っ……ううっ…う」
力任せに引っ張った左腕が、湿気を含んだ音をたてるのに構わず、這い出す。
ふらつく足で近寄った征陸はだけどまだ、動いていた。
銃声。
聞き慣れた足音が響いて、槙島が身を翻す。
行き過ぎようとして歩を止めたその姿に目を、向ける。
「…あ…」
「とっつあん…!」と激情に歪んだ顔が苦しげに逡巡し、逸らされる。
この期に及んで、俺は。
駆け去っていく後ろ姿から映したそこはでもまだ
「馬鹿野郎ッ」
まだ。