#30 血の褒賞
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ネイルガンを投擲して飛び退った槙島が、腰に手を伸ばす。
頑丈な紐の先で光った銀が一瞬で、線に変わる。
「!」
充分過ぎる遠心力を加えられて振るわれる手製の武器は想像よりも、重い。
ナヨっちい外見に反して、なかなかえげつない力があるようだ。
受けて払う度、スタンバトンが電流を纏う。
紐が巻きついてきたのを良い事に力ずくでその身体を引き寄せるが、槙島が察して武器を捨てざま身を翻す。
そのまま裏拳を叩き込んでこようとするのに背後から覆いかぶさり、腕で締め上げる。
「…っ、く…っ」
もんどりうって倒れ込むが、それでも締め付けは絶対に緩めない。
コイツを今ここでこのまま落とせれば――
ジュッいう低い音と共に、ペンシル型信管の先に火が点る。
「道連れに自爆しようってのか…!?」
「そんなつまらない事をすると思うかい…?」
深遠を想像させる声が嘲笑と少しの憐憫を含んで耳に届き、半ば無意識に視線を投げたその、先には。
「っ絶対にその男を放すな、執行官!」
血と煤で汚れた顔に必死の形相を浮かべた伸元が、叫ぶ。
「アンタは刑事だ!その勤めを果たせ!!」
槙島を抑える腕に力を、込める。
無造作に放られた爆弾が宙を、舞った。