資材置き場に踏み込みながら、周囲を警戒する。



手を挙げてトラップの存在を示した征陸の向こうには、赤外線センサー。



あからさまに罠だ。



屈んでよく調べようとするのを視界に収めつつ、迂回路を求めて横手の道へと体を向ける。



「――待て！」



制止に振り返りかけた足が何かに、引っかかる。



「ッ」



ワイヤーが弾け飛び、瞬間聴覚が飛んだ。



次いで爆風そして、爆炎。



「伸元っ」



刹那途切れた思考がゆるゆると戻り、左腕に痺れたような奇妙に遠い痛みを感じた。



それよりも寧ろ、床に打ち付けたらしい顎の方が痛い。



「…くっ、そ…」



「待ってろ…！」とコンテナに手をかけた征陸の靴先から上げた目を、見開く。



「後ろだっ」



ネイルガンを構えた槙島が唇を、笑みの形に歪める。



「！」



振り返って咄嗟に頭と顔をガードした征陸の腕に釘が刺さり、あるいは弾かれて火花を散らした。



「こんのぉおおおっ」



スタンバトンが振り下ろされ空間を電流が、照らし出す。