#30 血の褒賞
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「ひとつ、確かめておかなきゃならない。」
辺りを警戒しながら、スタンバトンの握りを確かめる。
こんな原始的な武器に頼らなければならないとは全く、最悪な展開だ。
「こんな時にどうした。」
「狡噛の逃亡を、幇助したな。」
問いの形をした断定に返ってきたのは、失笑。
「あんまり老いぼれを苛めんでくれんか?」
「…アンタは、狡噛が罪を引っ被る事で、結果として悪が潰えると思ってる。それがアンタのような時代遅れの猟犬の、野蛮で身勝手な正義感だ。」
歩みを止めた背中に「違うか」と声を張る。
そんなものを正義とは認めない。
自分は
「結局、頼りにしてるのは狡噛だ。俺には何も期待してない。槙島を捕らえられる見込みなんて、ないと思ってるんだ…!」
絶対に。
なのに
「あの男も潜在犯で執行官。俺と同じ穴の狢だよ。だがお前は、今でも違う道を歩み続けてる。それで良かったと心底、俺は思ってる。」
相手は俺のそれを、認めるという。
穏やかに口元を緩めるのに知らず、口を尖らす。
「……よくもそんな綺麗事が言えたモンだ。」
本当に、嫌なヤツ等だ。