#03 飼育の作法
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すっかり日の暮れた空の下、11月も下旬にさしかかった今日この頃の風は、かなり冷たい。
「宜野座さんて、征陸さんと何かあったんですか?」
黙々と簡易受信アンテナを設置する六合塚さんを見上げながら口にするとその目が小さな驚きを含んでこちらを向き、輸送コンテナを確認していた縢くんが噴出す。
「朱ちゃん、それギノさんの前で持ちだしちゃった?」
「地雷踏んだわよ、貴女。」
「ええっ?」
『そういう大事な豆知識は、できれば早めに教えといて下さいよ…』
『重っ』と顔を顰めながら持っていた物を地面に置いた光ちゃんが、パンパンと手を払う。
「持ち合わせの通信ケーブルは200m分か…二階のエレベーターホールまで届かせるのが限度だな。」
「そこまで金原の野郎を引っ張り出せるかい?」
「やるだけはやってみよう。」
施設内見取り図を見て小さく息を吐いた狡噛さんに、歩み寄る。
「その、話をするだけなんですよね?」
「………ああ。」
ホロ画面を見ながら頷いた目が一度こちらを見てから、腕をさすりながら頭上を見上げている光ちゃんを向き、縢くんも同じように横向く。
遅れて視線に気づいたその顔に、訝しげな表情が浮かぶ。
『………何ですか?』
「光ちゃん、その靴走りやすい?」
『は?』