#30 血の褒賞
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ともかく槙島のバイオテロはこれで完全に失敗だ。冷静な判断力があれば、すぐさま逃げ出す算段を打つんじゃないか?」
「そうでしょうか…。」
ヘリポートから工場内部へと続く扉を開け、階に足をかける。
段を降りながら眼鏡のブリッジを正す。
「槙島のこれまでの行動は確かに周到でしたけど、損得勘定だけでは割り切れなかったきがします。」
「この期に及んで、アイツがまだ粘ると?」
「手があるとすれば、非常電源…?今はまだ、外部からのコマンドで切り替えを遮断してるだけですよね?」
「ええ。」
前を行く六合塚が首を縦に振るのを確認した常守が、視線を戻す。
「だったら施設内の制御版から手動で再起動をかければいい。もう一度電力を取り戻すチャンスは、そこしかない。」
「中央管制室かぁ。…網を張るか?」
「待て。素直に逃げ出す公算だって充分にある。寄り道はしていられないぞ。」
「二手に分かれましょう。私は管制室に、宜野座さんは大学のラボをあたって下さい。」
「私は常守監視官に同伴します」と即座に名乗りでるのに、目を向ける。
「警備責任者のコンソールから本部の志恩と連携すれば、せめて施設の監視カメラぐらいはこちらでも制御出来るかも。」
「となると、追いかけっこは俺達のコンビだな。」
「………。」
「そう嫌そうな顔をするな。荒事は男が引き受けるモンさ。」