#30 血の褒賞
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「じゃあ六合塚さん、お願いします。」
<了解。施設全域への送電を、カットします。>
通信機から顔を上げると、周囲から何かの気配が確実に絶えていくのが感じ取れた。
「………」
ここからが、勝負だ。
**********
突然、照明が落ちた。
強化ガラスの向こうの機器類も同じくして、停止する。
仕方がないので、読み進めていた本を閉じて、息を吐く。
「やってくれるな…公安局。」
**********
散水をしていたセンターピボットがその動きを止め、上層付近で瞬いていた誘導灯の明りが消え失せる。
「よし…!」
身を潜めていた壁から身を離し、正面出入り口へと走る。
勢いのまま完全に沈黙しているドローンの肩部分に足を掛け、門の縁に手を伸ばす。
なんなく侵入を果たし、駆け出す。
**********
「…彼女に世界は壊せない…?それは君個人の見解だろう?」
有線接続した広大な海の中の小さな浮島。
今この意識の在る場所を例えるとしたならば、そのようになる。
「……ふぅん。なんにせよ他愛の無い存在さ、システムの一部となってしまったならね。…いや、仮定の話だよ。」