#30 血の褒賞
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「心配ですか?」
微笑んで言うのに、眉を顰める。
「ああ。狡噛の時と一緒だ。」
自らの正義を求めてこの世界を生きれば、自ずと。
「突っ走りすぎた監視官の末路なんて、俺ぁそう何度も見たかぁない。」
「それなら、私の犯罪係数、確かめてみます?」
顔を背けていた伸元が、視線を戻す。
「おいおい。」
「構いません。」
そう言って朗らかに笑うその表情は初めて出会った時から、なんら変わってはいない。
「ドミネーターを向けてみて下さい。記録は監視官権限で削除しますから。」
渋々向けた銃口の先に在る、真っ直ぐな眼差しも。
<犯罪係数、24。刑事課登録監視官。>
けれど
「ね?」
「「………」」
「今の私はシステムの望み通りの人間なんですよ。」
一番大切なモノを守り、育みながら
「ああ…。」
時として悪意と絶望さえも糧にしてこうも人は、強く。