#30 血の褒賞
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沈黙するドミネーターに、目を伏せる。
この銃が例え
「私達はこれから、槙島聖護を追う。」
法であり、秩序だとしても。
「協力してくれるわよね?」
<無論です。>
「…ならこの銃、セイフティを解除したまま、機能をパラライザーに固定して。出来るでしょ?」
<ドミネーターは、計測した犯罪係数に基づいて執行モードが決定されます。これは、現在の治安維持の根幹であり、不可侵のシステムです。>
「槙島に立ち向かうには、それ相応の強力な武器がいる。私達だって自分の身を守らなきゃならない。…もしドミネーターが使えないなら、より原始的な武器に頼るしかなくなるわ。最悪の場合、それで槙島を殺す羽目になるかもしれない。」
<それは貴方方の、自助努力の欠落によるものです。>
「私達の能力には限界があるし、槙島を無事確保出来る確立は100%には及ばないわ。ここで貴方達がひとつ特例を認めれば、その確立は少し改善出来る。何が最善の判断か、考えてみなさいよ。損得勘定は得意でしょう?」
<……現時点より、槙島聖護捕獲の達成に至るまで、該当する端末装置の特例を許可します。セイフティ常時解除。モード、ノンリーサル・パラライザー。ただし、他の捜査官には露見しないよう、運用には細心の注意を払って下さい。>
「…わかってるわ…。」
正義だとしても。
「おいお孃ちゃん。」とかかった声に、目を瞬く。
「局長に呼び出されてからこっちちょっとヘンだぞ。何があったのか知らないが、何もかも背負い込みすぎじゃないのか?」
息を吐いた口元が自然と緩んだのを自覚しながら、振り返る。
それは、私のものではない。