#30 血の褒賞
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「この施設、セキュリティシステムの権限だけ農林省から委譲してもらうわけにはいかないんですか?」
「手続きに時間を食う。」
答えつつ端末を操作してみるが、やはりそれは現実的な手段ではない。
「その隙に槙島が王手をかけるかもしれん。」
視線が向くであろう事は完全に察しがついたから、無視する事は容易だ。
「ここは狡噛の言う通り、施設そのものを停止させるしかない。六合塚。」
機内に残っている六合塚に呼びかけ、首尾を伺う。
<予備電源への切り替えコマンドは凍結済みです。後は発電所からの送電を止めるだけ。>
難しい顔で黙り込んでいた常守がそれを受けて、腰のホルスターを探る。
「ひとつ、確認させて下さい」と言いながらこちらを向いたその手には、ドミネーター。
「もし狡噛さんと遭遇した時、犯罪係数が300を越えてエリミネーターが起動するようなら、発砲を控えて私を呼んで下さい。」
「…君を呼んでどうなる。」
「狡噛さん相手には切り札があります。」
小さな背中に吹く風が、レイドジャケットの意匠を揺らす。
そこに込められた意味が認め難い現実味を伴って、迫ってくる。
自分達は今
「大丈夫。」
何を求めて奔っているのだろうか。
「任せて下さい。」