#30 血の褒賞
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管巻研究室。
コードの書き換え作業が完了するまでの間を待つのに選んだ本は、”新約聖書”。
「イエスは、別の例えを持ち出して言われた…」
ページを捲りながら、続ける。
「天の国は次のように例えられる。ある人が良い種を畑に撒いた。人々が眠っている間に敵が来て、麦の中に、毒麦を撒いていった。」
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麦畑の道を、早足で進む。
視界前方にハイパーオーツ用の防御ウィルス生産工場を捉え、姿勢を低くする。
工場の正面出入り口には、2機の警備ドローン。
「…セキュリティが生きてる…」
いくら犯罪係数が低くても抜けられるルートではない…とすれば槙島の侵入経路もここではない。
「他に入れそうな場所は…――?」
耳に届いた微かな音に振り返って見えたものに、小さく目を見開く。
刷毛で描いたような冬空を来る、鉄の鳥。
「…ほお。」
頭上を通過して屋上ヘリポートへと向かうその機影を見送る脳裏に、かつての仲間達が浮かぶ。
内に秘めた信念を映して尚真っ直ぐな、その眼差しが。
お前はあそこにみつけたのか。
やっと
息の出来る場所を。