#29 正義の在処
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「そうですね。その順序で考えましょう。」
眉を下げて頷いた常守が、視線を巡らす。
壁の一面を埋める本棚に近づいたその背を追いかけるように、足を踏み出す。
「もし…先にこの現場に辿り着いた狡噛さんが、死体をどこか、みつかりにくい場所に隠していたとしたら…管巻宣昭は行方不明のまま、私達は見当違いの捜索を続け…」
暖炉前に膝まづいたその目が、燃えカスに凝らされる。
「さらに差をつけられていた。時間稼ぎには、それが1番だった
重なったのは、軽薄な色をした髪のかかる理知的な横顔そして
筈なのに
「!」
でもそうしなかった――
嫌と言う程見知った、落ち着いた端整な面差し。
「狡噛さんは自信過剰なタイプじゃない。万が一自分が失敗した時に、他の誰かが槙島を止められるよう手掛かりだけは残していったと思います。問題は、その手掛かりにいつ気づくか。試されてるんです、私達。槙島を追う為に、狡噛さんと同じかそれ以上の執念を持っているかどうか。」
隣の六合塚が微かに目を見開く。
「その覚悟がない人間はここで足止めされ、出遅れる…。喉と両目の傷を集中スキャン。何かない?」
命令を受けた鑑識ドローンが、死体の頭部にレーザーと電磁波を照射する。
<被害者の気道内部に金属反応を探知。>
「!手袋を。」
無造作に頭を振って髪を払った常守が、素早くラテックス手袋を装着する。