#29 正義の在処
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「よう。」
「遅いぞ!」
「すみません、状況は…?」
「近隣住民から、例のヘルメットの目撃情報が届いたんでなぁ。いざ聞き込みに回ってみたら、この家だけセキュリティが潰されてた。で、踏み込んだらこの有様さ。」
死体の傍らに膝をつき、ざっと改める。
「被害者は管巻宣昭。元は…農林省管轄の研究所に勤務してましたが、かなり以前に引退して、今は何の変哲もない年金受給者です。」
「家捜しした痕跡の中に、狡噛の指紋があった。しかしなんでまた…」
「この首の傷…槙島聖護の仕業かも。」
言って顔を上げると、面々と目が合う。
「この老人が槙島の次の計画に関与していて、それを突き止めた狡噛さんが駆けつけたものの、一歩遅かった。」
「…やはり、狡噛が先を行っているってコトか。」
「それにしてもこの爺さんが一体どうして槙島に殺されたのか…」
「ここまで徹底して荒らされた後じゃなぁ」と膝を伸ばした征陸さんが、室内を見渡す。
本棚の本という本は投げ散らかされ、ローテーブルまでひっくり返っている。
まるでこの部屋にだけ台風が通り過ぎていったかのようだ。
「狡噛さんが今1番望まない展開はなんでしょう…。」
「槙島を取り逃がすことですよね?」
顎に手を添え、目を伏せる。
「じゃあ、2番目に望まない展開は。」
「槙島を仕留める前に、俺達にみつかること…か?」