#01 犯罪係数
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走りながら目を落とした、この日の為に用意したホロじゃない、本物のスーツ。
<こちらは、公安局刑事課です。>
すでに色の変わっているそれにげんなりし、ほぼ自棄でパシャパシャと水を蹴るように進む。
「何々?」
「さぁ?」
<現在この区画は、安全のために立ち入りが制限されています。近隣住民の皆さんは、速やかに退去して下さい。繰り返しお伝えします――>
野次馬の群れを抜け出た先で、堪らず膝に手をつく。
「す、すみません……」
愛くるしい顔でこちらを見下ろす公安マスコットに身分証を提示し、再び駆け出す。
「あの!」
飛び込むようにして入ったテントの下で、高い位置で結わかれたツインテールが跳ねるように揺れた。
『Hello、朱ちゃん!』
向けられた笑顔に口元を緩めそうになり、慌てて気を引き締める。
「監視官の宜野座さんでしょうか?」
「俺だ。」と振り向いた男性に足を揃え、敬礼する。
「配属早々に事件とは、災難だったな。」
「本日付で刑事課に配属になりました、常守朱です!どうぞ宜しくおねが「悪いが」
「刑事課の人手不足は深刻でね。新米扱いはしていられない。」
眼鏡の奥の瞳に瞬くと、無感動に見返される。
気づかれないように動かした目に、その後ろで両手を広げて肩をすくめる同期が、映った。