#29 正義の在処
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『朱ちゃん、狡噛さんと行って。』
頑なな瞳に宿る、意志の力。
『私は縢くんと下に行く。』
「…お前、何を考えてる。」
「私は分かってたよ。」
私はちゃんと、分かってたよ。
「ヤツを殺せば、全部終わる。」
「それも、分かってた。分かってたんだよね。」
だけど
「同じ覚悟が、光ちゃんにもあった。けどそれが正しいやり方じゃないって事も分かってた。なのに狡噛さんのやり方が間違ってるとも、思えなかった。」
だけど、なのに、でも。
大切なモノ、大事な人、出来る事、すべき事。
貴女はいつだってそういう全部と向き合って、どれかを、何かを選んできた。
きっとそうして引き受けた痛みに、傷つきながら、ずっと。
当たり前の事なのにいつからか私が、皆が放棄してきた苦しさ。
『シビュラに対してどうとか、人間性とかの問題じゃ、ないんです。強いて言うなら私が…私だから。』
貴女を、私を形作るのに必要だったモノ。
『貴方に貴方の”正義”があるように私にも、私の”正義”がある。』
「……うん。」
暖かい涙はやっとそんな簡単な事に気づけた、証。
『そういう事なんです』と微笑むのに、微笑み返す。