#29 正義の在処
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わかんねぇよ。
「!」
「俺なんかにわかるワケねーじゃん。」
いつかの社員食堂――いつかの、夕ご飯。
「アンタは何にでもなれた。どんな人生を選ぶ事だって出来た。それで悩みさえしたんだろ?スゲぇよなぁ。まるでシビュラができる前のジジババみてぇだ。」
縢くん。
そうかコレは、夢なんだね。
「うん…すごいよね。誰もが自分の人生を手探りで選んでた。それが当たり前の世界があったなんてね。」
くるくる変わる、でも割りと怒ったような顔が多めのその姿に涙が、滲む。
「今じゃシビュラシステムがソイツの才能を読み取って、1番幸せになれる生き方を教えてくれるってのに。…本当の人生?生まれてきた意味?そんなモンで悩むヤツがいるなんて、考えもしなかったよ。」
本当の人生。
生まれてきた、意味。
「そうだね。重たくて…辛い悩みだよ。でもね」
でもね?
私はそうして悩んで、この仕事を選んだんだよ。
ここに、来たんだよ。
「今では思うんだ。それを悩む事が出来るって、本当はとても幸せなことじゃないかって。」
だからこうして、縢くんにも会えたんだよ。
だけどさ、本当の人生とか生まれてきた意味とかじゃなくて。
そんなのは、いいから。
もっとたくさん喋り尽くして、ねぇなんでも。
もっと、もっともっと、たくさん。