#29 正義の在処
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「後3分で、アタシの未来も確定かぁ~。」
携帯端末と睨めっこをしていたゆきが、がっくりと顔を落とす。
「あぁ…憂鬱。」
「ゆきってば、そこまで最終考査のスコア、ヤバかったワケ?」
「んもー最悪よぉ。どんな仕事に就く羽目になるやら…」
「シビュラ診断のない時代だったら、幸せになれるかどうか運任せだった。昔に比べたらさぁ、余程いいじゃん。」
ケーキの飾りの林檎を、フォークでつつく。
「佳織はぁ、複数適正もらえそうだからいいよねぇ。就職先より取り見取りじゃん。」
「私だって朱ほどじゃないわよ。この子の最終考査見た?ポイント700よ?信じらんない。」
二人の視線を同時に向けられ、慌てて両手を振る。
「昔から試験の時だけはラッキーなんだよ私…」
「朱のスコアとサイコ=パスなら、本当人生バラ色よねぇ。」
「そ、そんなかなぁ…?」
「――あ、きたっ」
一斉に鳴り響いた着信音に、自分も端末を起動する。
「うわ、C判定…。分かっちゃいたけどショックだわぁ。」
「アタシなんか事務職ばっか。ここからレベルアップしてくの、厳しいなぁー。」
「ねぇねぇ、朱はどんなだった?」
「見せて見せて」と急かすのに、両手で持った画面を差し出す。
身を乗り出した二人のそれぞれに大きな瞳が、丸くなる。
「うわ、すごっ!中央省庁全部に適正出てんじゃん!!」
「ちょっとアンタ…このスコア、本当にすごいよ。公安局の適正まで出てる…」
「で、でもさぁ?こんなに何から何まで進められても…じゃあ、結局どれがいいのか……私、どうやって決めたらいいんだろぉ。」