#29 正義の在処
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『………』
こちらを見つめる槙島から、冬晴れの空へと目を戻す。
<――協力的態度を期待します。佐々山光。>
私の返答に面食らったのかそれともただ単純に、システムの総意を測るのに必要なラグだったのか。
前者だと思っていた方が、少しは気分が良い。
<シビュラシステムの運営上、貴女は突出した価値を持つ個人です。先程申し上げた通り、システムを逸脱するイレギュラーは我々の進化において貴重な構成因子と成り得るのです。>
あんなモノの為に
――今日も綺麗よ、光。
ママ、貴女は。
こんな世界で
光
お兄ちゃん貴方は。
生きて、死んでいった。
<その全ての反応を観測し、解析します。しかし貴女は依然として厚生省公安局所属監視官であり、槙島聖護の確保を任務としている事を失念しないで下さい。彼も貴女同様、我々に進化をもたらす糧と成り得る存在なのです。>
『……貴方は死ぬ。だけど結末は同じでも、そこに至るまでのシナリオは幾つかあるの。私はそれを、私のモノにしたいだけ。』
ねぇ、なら、私はどうやって
「……成る程。」
この世界を生きていけばいい?
この世界を、殺せばいい?