#29 正義の在処
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「完璧なシステムが聞いて呆れるわ。こんなモノが人の生き死にを決めてるなんて…」
<ただシステムを改善し、複雑化するだけでは永遠に完璧さは望めない。ならば機能ではなく運用の仕方によって矛盾を解消するしかない。>
眼前でクレーンによって吊り上げられた1ケースのホログラフパネルに表示されている数字に、目を細める。
あれは、一体何の――
<管理しきれないイレギュラーの出現を許容し、共存出来る手段を講じる事で、システムは事実上の完璧さを獲得します。>
「…どういうことよ?」
<システムを逸脱した者には、システムの運営を委ねればいい。これが、最も合理的結論です。>
「っ」
背筋を這い登った感覚に、思わず後ずさる。
あれは――あの、表示はまさか
<我々は、かつて個別の人格と肉体を備えていた頃は、いずれもシビュラシステムの管理を逸脱した免罪体質者でした。中には槙島聖護より遥かに残忍な行為を行った固体も多数含まれています。>
サイコ=パス。
投影された数枚のビジョンに、瞬きさえ、出来ない。
「じゃあ……シビュラって…悪人の脳をかき集めた怪物が、この世界を仕切ってたって言うの…!?」
頭が
<まず始めに、善と悪といった総括的な価値観を排斥する事で、絶対的なシステムが確立されるのです。必要なのは、完璧にして無謬のシステムそのもの。それを、誰が、どのように運営するかは問題ではありません。>
おかしくなりそうだ。