#28 透明な影
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
厚い胸がゆっくりと上下するのに合わせて、微かな寝息が額にかかる。
ごく普通の、きっとよくあるような、珍しくもない風景。
だけど
『………』
どれくらい、そうしていただろう。
意外な程幼い寝顔から目を放し、起き上がる。
ソファの端に腰掛けてデバイスを確認すると、時刻は朝の9時過ぎ。
一度家に帰って着替えをする時間は充分にある。
「…光…?」
寝ぼけたような声に振り返ると、境界の色をした瞳が私を映した。
ねぇ
そのままふっと目元を緩ませるのにどうしてか、喉が鳴りそうになって。
『……Don't be all alone……』
お願い。
例えこの先に、どんな未来があったとしても
不自然に揺らいだ声が聞き取れなかったのだろう、問うように瞬くのに私は一体、どんな顔をしたのだろう。
抱き締めてあげるフリをして、さらさらと硬い髪に触れる。
独りぼっちにならないで。
私は、貴方を――