「アレはもう駄目だな。」




――以上の要因から、狡噛慎也の性格と思考を理解し、行動パターンを予測するにあたって最も適任なのは我々刑事課一係です




記憶が蘇る、という感覚ではない。




寧ろ”記録”を巻き戻す、といった方が近い。




「ただ、今の状況下で即座に手駒に出来る人材が…」




情報の海を来る流れのひとつが、思考に触れる。




「…ん？なんだと……？それは皆の総括による結論なのか。」




自明の理にも関わらず、思わずそう口にしてしまう。




本日付で刑事課に配属になりました――




シビュラに祝福された、二人の少女。




「……うん………だが……」




負荷に耐えかねた神経が、限界を訴える。




肉体的な痛みを感覚した体が反射を示して腕が上がり、指先が眉間を押さえる。




「いや、今この要領では理解しきれない。一旦そちらに戻ってコンセンサスをとりたい。」