#27 水に書いた約束
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[すまない。]
俺は約束を守れなかった――
デスクの上に置いてあった封筒を目にした瞬間にきっと、予感していた。
違う。
多分もう、ずっと前から。
[誰かを守る役目を果たしたい。そう思って俺は刑事になった。だが槙島の存在が全てを変えた。あの男はこれからも、人を殺め続けるだろう。なのに法律ではヤツを裁けない。俺は刑事でいる限り、あの男に手出しが出来ない。今度の一件で思い知った。]
新しい日を迎えたばかりの風が、髪を触っていく。
[法律で人は守れない。なら、法の外に出るしかない。]
綺麗で少し、寂しい世界を優しく、行き過ぎていく。
[常守朱。アンタの生き方は間違いなく正しい。俺に裏切られたからって、そこを見失ってはいけない。俺はあくまで身勝手に、自分の意地を通すためだけに、アンタと違う道を選んだ。これが過ちだと理解はしている。だが俺は、きっと間違った道を進むことでしか今までの自分と折り合いがつけられない。許してくれ、とは言わない。次に会う時は恐らく、アンタは俺を裁く立場にいるだろう。その時は容赦なく勤めを果たせ。]
だけど私はそれでもこの世界で
[信念に背を向けてはいけない。ほんの一時だったが、アンタの下で働けて幸いだった。礼を言う。]
この、場所で。
[それから、もう一つ。笑ってくれていいが、俺はアンタに嫉妬していた。アイツは、光は、アンタに心底、惚れ込んでいる。もしももう一度会うことがあったなら、何をしてたんだとしても、許してやって欲しい。]
「……馬鹿……!」
[独りに、しないでやってくれ。]
貴方達と一緒に。